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ブラジル色を初めて打ち出したルデーリ

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Ludere Baden Inedito.jpg

う~ん、結局なんだかんだ、よく聴いているんだから、
やっぱり書き残しておこうかなあと、重い腰を上げたルデーリの新作です。
最初聴いた時は、かなりガッカリしたんですよねえ。
ヌルすぎるだろう、これじゃあと。

新作は、ピアニストのフィリップ・バーデン・パウエルの御父上である
バーデン・パウエルの未発表曲集なんですが、う~~~~ん。
マテリアルがぼくの期待とは違っちゃった、というところですかねえ。
ぼくがルデーリを高く評価しているのは、
変拍子でがんがんに攻めてるコンテンポラリー・ジャズのグループとしてなので、
ブラジル色の出た歌ものというのは、まったく方向性が違うんだよなあ。

ダニエル・ジ・パウラの現代ジャズ的な訛りのあるリズム・フィールを
堪能できるドラミングや、鋭角的に切り込んでくるルビーニョ・アントゥネスの
シャープなトランペットが絡むスリリングな展開に、最大の魅力をおぼえていたので、
今作の耳馴染みの良いサウンドは、ヌルいんですよ、ぼくには。
これじゃまるでフュージョンじゃん、てね。

実は前作のライヴを聴いた時にも、エッジの立った部分が見えずらくなっていたので、
少し危惧していたんですけど、ヤな予感が当たってしまった感じ。
やっぱりさあ、デビュー作の尖り具合は今聴き返しても、魅力だよねえ。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2017-09-24
フィリップ・バーデン・パウエルが抜けた裏ルデーリともいえる、
ルビーニョ・アントゥネスのソロ・アルバムでも、攻めまくってたもんなあ。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2018-09-13

結局、今回のルデーリの新作は、フィリップ・バーデン・パウエルの個性が
前に出たアルバムということなんでしょうね。フィリップのソロ・アルバムは、
かなりボサ・ノーヴァ色のあるものでしたからね。

まあ、そう思い直して聴けば、これはこれで、すごく心地いいアルバムなわけです。
なんたって、1曲目からぼくの大好きなヴァネッサ・モレーノが
麗しい歌声をきかせてくれるんですから。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2017-11-13
攻めたドラミングは聴けないとはいえ、ダニエル・ジ・パウラのドラミングは、
グルーヴ感満載だし。

前半は、フィリップ・バーデン・パウエルのエレピに、
アジムスか?みたいに思えたりもするんですけれど、
ラスト・トラックのガブリエル・グロッシのハーモニカが参戦して、
ハードなプレイを聞けるプログレッシヴ・ショーロが、救いかな。

次作はぜひ、デビュー当初のような尖ったオリジナル曲を揃えて、
新規巻き返しを期待したいところです。
ピアニスト替えても、いいかもよ。

Ludere "BADEN INÉDITO" no label no number (2020)

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