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アダルト・シャバービー アマール・マヘル

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Amal Maher  WELAD EL NAHARDAH.jpg

おぅ! 待ってました。エジプトの女性歌手アマール・マヘルの新作ですよ。
エジプトのシャバービーでは、イチ押しのシンガーであります。
かつてはアンガームびいきのワタクシでしたが、
10年のエレクトロ・シャバービー・アルバム“MAHADESH YEHASEBNI” に幻滅して、
今はアマール・マヘルに乗り換えさせていただいております、ハイ。

アマールがウム・クルスームに学んだ実力派シンガーであることは、以前書きましたが、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2012-02-27
古典をしっかり身につけたコブシ使いの美しさは、若き日のアンガームを思わせ、
レバノンあたりのルックス重視なシャバービー・シンガーとは、
格の違う歌唱力を示していました。

惜しむらくは、これまで楽曲に恵まれず、
いまひとつその才能を爆発させられないでいるように思えたんですが、
前作“AARAF MENIEN” でようやくヒット曲にも恵まれ、
スター歌手としてひと回り大きく成長したのを感じさせました。

そして、4年のインターバルを経て、
じっくりと時間をかけて制作された新作は、前作をさらに凌ぐ出来栄え。
レバノンのシャーバビーのような、うるさい打ち込みは一切登場せず、
生音重視のデリケートなプロダクションは、
実力派シンガーの歌唱を浮き彫りにするのに、ふさわしい演出となっています。
思うに、ドガスカうるさいプロダクションって、
ヘタクソな歌をごまかすためにあるんじゃないかとも思えてきますね。

アマールもよく練られたアレンジに応えて、じっくりと歌を聞かせていて、
流麗な響きのストリングス・オーケストラが、
しっとりとした歌の味わいを、いっそう香ばしいものにしています。
内容が良いだけに、文句を言わせてもらいたいのが、ジャケットの人工的メイク。
美女が台無しなうえ、中身のデリケイトなプロダクションも台無しじゃないですか。
制作スタッフの神経を疑います(怒)。

Amal Maher "WELAD EL NAHARDAH" Mazzika MAZCD252 (2015)

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