前回思い出したように取り出したエドゥアルド・ネヴィスのアルバムで、
ジャズともショーロとも言い難い、なんて言ってた矢先に、
まったく同じ趣向の新作アルバムが届いちゃいました。
トランペットの大ヴェテラン、シルヴェリオ・ポンチスのソロ作。
95年にクアルッピから出した、トロンボーン奏者ゼー・ダ・ヴェーリョとの共同名義作の
ショーロ・アルバム“SÓ GAFIEIRA!” が忘れられない人です。
あのあともゼー・ダ・ヴェーリョとのコンビで、連作を出しましたよね。
今回のシルヴェリオの単独ソロ・アルバムでは、
オープニングから、心が浮き立つ見事なショーロ曲を聞かせたと思いきや、
ミュゼット・ジャズあり、古風なタンゴ・ブラジレイロあり、ガフィエイラ・スタイルのサンバあり、
チャチャチャのジャズ・アレンジあり、ブラスバンドをフィーチャーしたマルシャありと、
粋なスイング・ナンバー揃いのカラフルなトラックに、翻弄され続けます。
いやあ、これほど多様な音楽を混ぜ合わせながら、
いともすっきりと聞かせてしまう懐の深さは、
ブラジル人ならではとしか言いようがありませんね。
眉間にしわ寄せて、ひっちゃきになってる風なところなどまったくなく、
涼しい顔で演奏そのものを楽しみながら、
さらりと深い音楽性をにじみ出す大人の音楽。
あ~、エレガントすぎる。
う~ん、つくづくブラジルという国の文化の成熟ぶりに感服させられますな。
大人のためのインストゥルメンタル音楽といったところでしょうか。
おこちゃまには、もったいなくて聞かせたくありません。
Silvério Pontes "REENCONTRO" Des Arts ART10008-2 (2016)