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セネガル・日本同時デビュー サリウ・ニング

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Saliou Gningue  YOON BI.jpg

去年の夏、セネガルでアーティストのマネージメントや
プロモーションをしているダカール在住の日本人女性から、
発売前の男性歌手のアルバムを聴いてほしいというメッセージが
フェイスブックに届きました。

送られてきたMP3の音源を聴いてみると、
一聴してグリオ出身とわかる、鍛え上げられたヴォーカルが飛び出し、
おおっ、これはと、耳を引きつけられました。
バックの演奏も、サバールとタマのパーカッシヴなサウンドが弾ける、
グルーヴ感いっぱいのンバラを展開していて、こりゃ、いい!とゴキゲンになったんでした。

サリウ・ニングというこの男性シンガー、
ダカール、ゲジャワイのグリオの出身で、幼い頃からサバールなど打楽器を演奏し、
歌の才能を認められ、シンガーとしてキャリアを積んだ人とのこと。
澄んだハイ・トーンの声で、高音に駆け上っていく節回しの中に
こぶしをつけていく妙技は、グリオならではといえます

その後、メッセージをくれたニング・もえこさんが
セネガルから一時帰国するというので、お会いしてお話を聞かせてもらいました。
苗字が同じなので、もしやとお尋ねしたところ、やはりご夫婦とのこと。
もえこさんは、00年にセネガルを旅して、
国立舞踊団のメンバーからダンスを学んだのをきっかけにセネガルにのめりこみ、
以来ダンスのワークショップやコンサートの運営などを主催する
「アフリカルチャー」を立ち上げて活動をしてきたんだそうです。

アルバム冒頭の1曲目“Mbeguel” で、
「わたしからあなたへ このうたをとどけよう
ひろいせかいにたったひとりのわたしのすきなあなたへ」
とサリウが日本語で歌っているのは、そういうことなのねと、ナットク。
ウォロフ語で「愛」というタイトルを付けられたこの曲では、
もえこさんもバック・コーラスを付けていて、
いやあ、当てられるなあ。新婚らしい微笑ましさであります。

“Yaay” では、速射砲のように乱打するサバールと、言葉を投げつけてくるタスが
鋭い切れ味で畳みかけてくる一方、サリウがふくよかな声で弾むように歌い、
シャープさとともに厚みのあるグルーヴを生み出します。
ラストのコラとフラニの笛をフィーチャーした“Nabi” は、タマの超絶技巧にも耳奪われますが、
伝統寄りのサウンドのバックで、控えめに鳴らすシンセがカクシ味として利いています。

しっかりと作り込まれたサウンド・プロデュースが鮮やかで、
たった5曲27分弱のミニ・アルバムなのがなんとも物足りず、もっと聴きたくなりますねえ。
実力確かな逸材なので、今後のフル・アルバムを楽しみに待ちつつ、
昨年実現しなかった日本ツアーも、期待しましょう。

なお、本デビュー作は、下記で扱っているとのことです。
BOGOLAN Market
東京都杉並区阿佐谷南3-12-7-1F
http://www.bogolanmarket.com/

boutique AMINATA
http://boutiqueaminata.blogspot.sn/p/work-shop.html
https://www.facebook.com/saliou99/posts/929281923876050

Saliou Gningue "YOON BI" African Sant AFSA001 (2017)

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