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ジャーネットのトゥアレグ ナビル・バリ・オスマニ

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Nabil Othmani  TAMGHART IN.jpg   Nabil Baly Othmani  AYT MA.jpg
Nabil Baly  KEL TUGDA IN.jpg   Nabil Baly  AMGHAR IN.jpg

ナビル・バリは85年、アルジェリア南東部のオアシスの町
ジャーネットのトゥアレグの音楽一家に生まれたシンガー。
父親のバリ・オスマニ(1953-2005)はウードの名手で、
詩人としても名高い歌手でした。
13歳でギターを弾き始めたナビルは、
父のバンドでダルブッカを叩いて修行を積んだようです。
ナビルの10年デビュー作“TAMGHART IN” では、
父の曲や父と共作した曲も多く取り上げていましたね。

そして祖母のハジャ・オスマニは、
女性が歌う祝祭歌ティンデの歌い手として尊敬されており、
先のデビュー作では、ハジャの曲も1曲取り上げていました。
その曲“La Helle” では、ハジャをフィーチャーし、
タマシェク語でタルリリットと呼ばれる、
トゥアレグ女性が鳴らす激烈なウルレーションを披露していました。

ナビルはエレクトリックとアクースティック両刀使いのギターに、
ウードやベースもこなしながら、トゥアレグの伝統音楽からデザート・ブルース、
シャアビやレゲエなども取り入れています。
伝統音楽からポップまで、無理なく消化した柔軟な音楽性は、
デビュー作当時から際立っていました。
デザート・ブルース一辺倒ではない才能に、注目してきましたが、
新作の“AMGHAR IN” にも、そんなナビルらしい音楽性が発揮されています。

フランス語で歌ったレゲエも抵抗感なく聞けるし、
むしろナビルの柔軟な音楽性が発揮されて、いい仕上がりです。
ラストの“Eduna Tigla” のポップなセンスにも、ウナらされました。
転調する曲づくりなど、
これまでのトゥアレグ人ミュージシャンになかった個性を感じさせます。

一方、前作のライヴ盤“KEL TUGDA IN” では、ナビルが弾くウードに、
太鼓と女性コーラスたちの手拍子のみというシンプルな編成で歌っていて、
伝統的なトゥアレグのメロディがシャアビ化した味わいを醸し出しています。
オーセンティックとモダンのどちらも行ける、奥行きのある才能の持ち主です。

Nabil Othmani "TAMGHART IN" Reaktion RE16 (2010)
Nabil Baly Othmani "AYT MA" Nabil Baly Othmani no number (2012)
Nabil Baly "KEL TUGDA IN" Nabil Baly Othmani no number (2015)
Nabil Baly "AMGHAR IN" Ezlan/Reaktion EZ001/1 (2016)

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