苦節15年! ついに手に入れたどーーーーーーっ!!
もう涙・涙・涙であります。あ~~、うれしーーーーーっ!!!
はしゃぎまくって、部屋んなか、ぐるぐる駆け回りたい気分です。
『レコード・コレクターズ』誌恒例の「私の収穫2015」に、けってぇ~い!
と言いたいところなんですけど、まだリリース後15年のCDなのは、
ちょっと基準外ぽい感じなので、こちらで発表することにしました。
そのCDは、リオ・デ・ジャネイロ市の文化保存部局肝入りの
サンバ・メモリー・プロジェクトによって、00年に制作されたCDブック。
これがとんでもない逸品だというのは、サンバの名作詞家にしてプロデューサーの
エルミニオ・ベロ・ジ・カルヴァーリョが、60年代にカセット・テープに残していた
マンゲイラのサンビスタたちの未発表録音を、25曲も一挙蔵出ししたからなんですね。
しかも、そのラインナップがスゴいんです。
カルトーラが13曲、ネルソン・カヴァキーニョが3曲、パデイリーニョが3曲、
カルロス・カシャーサ、ネルソン・サルジェントとエルミニオの3人が歌う2曲、
あと、カルロス・カシャーサ、プレト・リコ、クレメンチーナ、メニニーニャが各1曲ずつ!!!
これすべて未発表という、サンバ・ファンなら眩暈じゃすまない、気絶ものの内容ですよ。
どうもこの録音は、スタジオで正式に録ったものではなく、自宅で演奏した録音や、
友人たちのパーティのような場所で録音したとおぼしきもので、
だからこそのリラックスしたサンビスタたちのなまなましい演唱が記録されていて、
口はもう、あんぐり開きっぱなしです。
なかでも、若々しいカルトーラやネルソン・カヴァキーニョの弾き語りが
たっぷり聞けるとあっては、もうたまりません。失禁寸前です。
若き日のカルトーラが当時の名クルーナー、フランシスコ・アルヴィスに作曲した
33年の曲“Divina Dama” を、カルトーラ自身が歌うヴァージョンなんて、初めて聴きました。
しかもこの曲、ジャコー・ド・バンドリンがギターを弾いているんですよ!
ほかにもジャコーがギター伴奏している曲が6曲もあって、
これにはびっくりさせられました。
バンドリンの天才ジャコー・ド・バンドリンのギター演奏というのも珍品なら、
カルトーラと一緒に録音を残していたなんて、
これまでそんな記事を読んだことすらありませんでしたから。
ディスク1の25曲目までが、エルミニオの秘蔵カセットからの音源で、
25曲目の途中から、この企画のために新たに録音された曲に移ります。
ディスク1の最後31曲目までとディスク2の26曲は、パウローンがアレンジを務め、
ネルソン・サルジェントはじめ、シャンゴー・ダ・マンゲイラ、タンチーニョなど、
現在のマンゲイラの重鎮たちが歌っています。
そしてディスク2の最後は、60年代録音のカルトーラの“Alegria” で締めくくられ、
ジャコー・ド・バンドリンのギター伴奏によるカルトーラの歌に、
ペドロ・アモリンのバンドリンとゼー・ダ・ヴェーシャのトロンボーン、コーラスを
オーヴァー・ダブした、粋な演出となっています。
58ページのCDブックには、37年当時のニテロイの写真から始まり、
CDに収録されたサンビスタたちのバイオグラフィが、
貴重な写真とともに掲載されています。
これほどの逸品が、カルトーラやネルソン・カヴァキーニョのファンにすら
知られていないのは、一般に販売されたCDではないからなんですね。
リオ市の記念事業だかなんだかで作され、頒布されたものなので、
中古市場に流れてくるのを探すしかなかったんですよ。
ブラジルでは、財団やら銀行やらが制作するレコードというのがかなりあって、
入手するのはホントに苦労させられます。
(参考)http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2009-08-15
執念で手に入れた激レア・サンバ・アルバム、特上の逸品でありました。
どんなスゴイ音源なのか知りたい方は、こちらをどうぞ。
http://www.sambaderaiz.net/v-a-mangueira-sambas-de-terreiro-e-outros-sambas-1999/
Cartola, Nélson Cavaquinho, Padeirinho, Carlos Cachaça, Zé Ramos, Nelson Sargento and others
"MANGUEIRA - SAMBAS DE TERREIRO E OUTROS SAMBAS"
Arquivo Geral da Cidade do Rio de Janeiro CRILSM99CD (2000)