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オリンダのテレイロでグルーヴ ボンガール

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Bongar  Samba De Gira.jpg   Bongar  29 DE JUNHO.jpg

オリンダのアフロ・ブラジレイロ宗教ナソーン・シャンバのテレイロで活動する
6人組の若者のグループ、ボンガールの新作が手に入りました。
01年に結成したボンガールは、地元のコミュニティで40年以上続く、
シャンバの儀式や祭りで演奏をしているグループです。
06年にリリースしたデビュー作を気に入っていたので、
新作が手に入るとは嬉しい限り。

デビュー作は、メレ(太鼓)、パンデイロ、アゴゴ、マラカスなどのパーカッションのみで、
リード歌手とコーラスがコール・アンド・レスポンスする、オーセンティックな内容でした。
曲ごとに使われるパーカッションが違えばリズムも多彩で、
太鼓のリズムと手拍子がポリリズムを生み出すところや、
曲の途中でリズムがスイッチして変化していくところなど、
パーカッション・ミュージック・ファンには聴きどころイッパイのアルバムでしたけれど、
こういう音楽を聴き慣れない人には、たぶん単調に感じてしまうんだろうな。

でも、今度の新作は、
そういうパーカッション・ミュージックのツボがわからない人にも親しみやすい、
ノルデスチのグルーヴを感じられるアルバムになっていると思います。
デビュー作同様、コーラスと太鼓のアンサンブルには変わらないんですけれど、
曲ごとのリズムやアンサンブルが変化に富むようになったのに加えて、
中盤あたりからギターがポスト・ロック的な音響を加えたり、
コーラスのメロディがキャッチーだったりと、
耳をひく工夫があちらこちらに施されています。

今作の音楽監督を務めているのが、
パト・フーやゼリア・ダンカンのプロデュースで知られる、
サンパウロの才人ベト・ヴィラレス。元メストリ・アンブロージオのシバとともに、
ベト・ヴィラレス自身もギターを弾いて演奏に参加しています。

デビュー作では、赤のシャツに白のスボンという揃いの衣装で、
伝統を継承する真面目な好青年ふうだったメンバーたちが、
10年経って、ずいぶんムサくるしいオッサンに変貌したもんですねえ。
コミュニティの伝統的な宗教音楽というと、
閉鎖的で堅苦しいものかと想像しがちなんですが、
開放的な明るさに溢れた、みずみずしい音楽に目を見開かされますよ。

Bongar "SAMBA DE GIRA" no label no number (2016)
Bongar "29 DE JUNHO" no label no number (2006)

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