うぉう、ボトムが利いてるねえ。
セヴンティーズを意識したオールド・スクールなサウンドなれど、
この重量感あるリズム、これぞアフリカン・ファンクの醍醐味じゃないですか。
オランダから届いた、トーゴ・オール・スターズを名乗るアルバム。
ミュージシャン14人に、アディショナル・ミュージシャン4人の名前が
クレジットされていて、トーゴのロメで録音されています。
プロデュースとアレンジは、セルジュ・アミアノ。
アミアノは、フランス、モンペリエのアフロビート・バンド、ファンガを結成した
アフロビート~アフロ・ファンクに通じた人物。
数年前からトーゴのロメに拠点を移し、このプロジェクトに専念していたんだそうです。
ファンガの前作からアミアノの名が消えていたのは、そういうことだったのか。
フロントにヴェテラン・ハイライフ・シンガーのアゲイ・クジョーに、
「トーゴのジェイムズ・ブラウン」と称される
若手のダマ・ダマウザンの二人を立てているように、
往年の時代を知るヴェテランと若手を組み合わせたプロジェクトで、
70年代サウンドの再現ではなく、70年代のトーゴの貧弱な機材や録音設備では、
やろうとしても出来なかった、ファットで厚みのあるサウンドを実現しています。
最近70年代トーゴのソウルのシングル集が出ましたけれど、
聴き比べてみれば、それがよくわかるはずです。
本作は後ろ向きの回帰でも、レトロでもないんですね。
70年代に活躍したファンク・バンド、ブラック・デヴィルのフロントで活躍した、
伝説的なシンガー、ナポ・デ・ミ・アモールをラストに起用したのも、
往年のトーゴ人ファンにとっては、感涙ものなんじゃないかな。
曲ごとに形式が書かれていて、「アフロ・ファンク」が一番多いんですが、
エヴェ人の伝統的なダンス・リズムのアクペセやアグバジャをファンク化した、
「アクペセ・ファンク」「アグバジャ・ロック」もあり、
「ファンキー・ハイライフ」と「アフロビート」も1曲ずつあります。
ホーンズの鳴りっぷりも逞しく、
今日びこれほど野性味あふれるファンクは、なかなか聴けるもんじゃありません。
Togo All Stars "TOGO ALL STARS" Excelsior EXCEL96499 (2017)