昨年、オリンダのアフロ・ブラジレイロ宗教音楽グループ、ボンガールの16年作を入手し、
デビュー作以来10年ぶりの再会にカンゲキしたばかりだったんですが、
はや17年リリースの最新作が届きました。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2017-06-02
今作はタイトルに示されるとおり、鉄の神オグンにまつわる歌を歌っています。
溶接の作業場を演じたジャケットも、オグン神の「鉄」をイメージしたものなんでしょう。
オープニングは、彼らの活動拠点であるアフロ・ブラジレイロ宗教ナソーン・シャンバの
テレイロで録音された、シャンバの儀式でのエシュとオグンに捧げた歌で、
15分に及ぶ長尺の打楽器とコーラスによる歌と演奏は、ライヴ感に溢れ臨場感たっぷり。
腹にずしんずしんと響く打音が、快感ですねえ。
しかし、このオープニング以降のトラックは、
鉄の神オグンに捧げるために、金管楽器のブラス・セクションを加えた曲があるほか、
ギターやバンドリンを加えたり、アコーディオンがフィーチャーされる曲など、
コンテンポラリーなアレンジも施して、パーカッション・ミュージックをベースとしながら、
色彩感のあるサウンドに仕上げています。
宗教音楽のパーカッション・ミュージックは、
オーセンティックな素の演奏のままだと、部外者はなかなか入り込めないし、
だからといって、旋律楽器を取り入れてポップ仕立てにしても、
宗教音楽の本質を歪めることになっては意味がなく、案外その塩梅が難しいもの。
ボンガールはその課題を見事にクリアしています。
Bongar "OGUM IÊ!" no label no number (2017)