サイケ趣味を炸裂させて、世界の秘境音楽をディグしていたはずの
サブライム・フリークエンシーズが、
最近はいったいどうしちゃったんですかね。
オコラのシャルル・デュヴェーユの仕事を集大成したかと思ったら、
最近ではデベン・バッタチャルヤのアンソロジーですよ???
正統的な民俗音楽研究とは、一線も二線も三線も画していたはずのレーベルが、
王道中の王道の民俗音楽研究家を手がけるとは、思いもよりませんでした。
なんだか、手の付けられなかったイタズラ小僧が、
急にガリ勉くんに変身しちゃったみたいな!?
さて、そのサブライム・フリークエンシーズの新録で、
ぼくが一番高く買っていたのが、ブルキナ・ファソのババ・コマンダントでした。
ローファイなサウンドで、アフロビートばかりでなく、
ダブやパンクまで呑み込んだセンスが、
いかにもサブライム好みのバンドに思えましたけれど、
往年のシュペール・ビトンを思わす野趣なサウンドには、
ぼくも快哉を叫んだものです。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-04-18
3年ぶりの新作は、デビュー作のサウンドとはがらりと変貌。
サックスが不在となり、アフロビート色がグッと後退して、
ドンソ・ンゴニを素直にファンク化したといった感じ。
なんか、ちょっとフツーぽくなっちゃって、
最近のサブライム・フリークエンシーズの傾向を反映してるんでしょうか。
ドラムスもどたばたしなくなったから、ドラマー交替したのかなと思えば、
同じ人だったので、腕前が上がったということでしょう。
グルーヴィなベース・ラインにも耳を奪われます。
全体にサウンドが整理されて、
マンデ系ジャム・バンドといった展開になりましたね。
前作の粗野なサウンドに、グッときていただけに、
ちょっとクリーンになりすぎたかなあと思わないでもないですけど、
バラフォンを押し出したサウンドには、
ライヴ・バンドらしいエネルギーが漲っているし、
なにより主役のババ司令官ことママドゥ・サヌの
泥臭いヴォーカルのアクの強さが、最大の魅力です。
Baba Commandant & The Mandingo Band "SIRA BA KELE" Sublime Frequencies SF113 (2018)