寒くなってくると、いいサザン・ソウルであったまりたくなります。
ということで、今年の冬も嬉しいアルバムに出会えましたよ。
かすれたスモーキー・ヴォイスが持ち味のデトロイトの実力派シンガー、
アル・リンゼイの新作です。
80年代のアーバン・ソウルをホウフツさせるサウンドにのせて、
じっくりと歌い込んでいますよ。
スローでの胸をかきむしるようなノドを絞った歌唱に金縛りとなり、
ブルースのアップ・ナンバーでのキレのある歌いっぷりに、ノック・アウトをくらいました。
ゴスペルの熱さをしっかりと伝えてくるディープなヴォーカルは、
やっぱり聴きごたえがありますねえ。
ウイリー・クレイトン、J・ブラックフット、ラティモアなどとの共演歴が、
この人の実力を物語っています。
アイザック・ヘイズの影も見え隠れするコンテンポラリーなサウンドは、
ヴィンテージな香りが漂い、華美になりすぎないプロダクションが、
歌と実にいいバランスです。ディープ・ソウルのコブシを利かせつつも、
現代のコンテンポラリーな洗練された歌い回しもできる、
間違いなくトップ・クラスの実力派シンガーです。
Al Lindsey "VERSATILITY" no label no number (2018)