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ケタ違いの才能を伸ばせ RIRI

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RIRI NEO.jpg

ケタ外れの歌唱力に圧倒されたRIRI の『RUSH』。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2017-07-10
女子高生R&Bシンガーの逸材登場に、オジサンの胸もトキめいたわけなんですが、
その後満を持してリリースされたメジャー・デビュー作は、新作4曲があったものの、
インディ・リリースのEP2作からの5曲とリミックス1曲を収録した
再編集ともいえるアルバムだったので、
今回が実質的なメジャー・デビュー作といえるかも。

出だしの第一声で、うん、今回もいいねと確信。
その声に身体の細胞が活性化されるのを感じる、まさしく天性の声です。
高校卒業後、ロス・アンジェルスの3か月滞在して制作されたという本作、
アメリカのメインストリームを照準に置いたプロダクションは、申し分ありません。
楽曲もいいし、ゼッド&アレッシア・カーラの「Stay」のカヴァーも鮮やか。

英語詞の合間に、ところどころ日本語詞を挟み込むというスタイルも
完全に定着しましたね。RIRI ほど、英語と日本語を全く違和感なくつなげて歌える
日本人歌手はいません。英語のリズムに、日本語のアクセントを落とし込んで、
シームレスに繋げるスキルが、RIRI の最大の武器です。
なぜ群馬で生まれ育った彼女が、
こんなスキルを身につけたのか、不思議でなりません。

歌唱・プロダクションとも、あまりにスキなく作られていて、
物足りなさが残るといえば、ゼイタクな注文でしょうか。
じっくり聴けば、さまざまな冒険をしているのもわかるし、
けっしてコンサバな作りではないんだけれど、
ケタ違いの才能がもっとハジけるような、規格外のところが欲しいなあ。

あと、ひとつだけ苦言を。
『RUSH』をリリースした時のミニ・ライヴの会場でRIRI に会ったとき、
「Jポップにならないでね」と老婆心ながら言ったおぼえがあるんですけれど、
その懸念がはや今回のアルバムに表われています。

清水翔太とデュエットした「Forever」がそれ。
こういう凡庸なバラードを、彼女に歌わせちゃ、ダメ。
こんな曲は、あまたあるJ-ポップ・シンガーに歌わせときゃいいんです。
この1曲ゆえ、本作を年間ベストに選べないのが残念でなりません。

[CD+DVD] RIRI 「NEO」 ソニー AICL3584~5 (2018)

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