うぉ、今回はイイぞ。
トーゴのギタリスト、ピーター・ソロ率いるヴォードゥー・ゲームの3作目となる新作。
物足りなさが残った1・2作目とは、見違えましたよ。
去年トーゴ・オール・スターズのアルバムが出た時は、
ピーター・ソロがやりたかったことを先にやられちゃったねえ、
みたいな印象を持ちましたけれど、ついに一矢を報いましたね。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2017-10-06
まんまJBズ・スタイルのオープニング‘Not Guilty’ から、引き込まれましたよ。
トーゴ・オール・スターズでもフロントを務めていた
トーゴのジェイムズ・ブラウンこと、ロジャー・ダマウザンがゲスト参加しています。
苦み走ったヴォーカルにヴェテランの味わいがあって、グッとくるんですが、
なんとピーター・ソロは、ロジャー・ダマウザンの甥っ子なんですってね。
知らなかったなあ。
1・2作目とはメンバーがすっかり変わり、デビュー作のメンバーは一人もおらず、
2作目のサックス奏者のみを残し、ほかは全員が交代しています。
さらに、今作はストリングス・セクションに女性コーラスも加わり、
サウンドの厚みばかりでなく、レパートリーの広がりもみせていますよ。
トーゴ・オール・スターズのような重量感には欠けるぶん、
小回りの利く、軽妙な切れ味がヴォードゥー・ゲームの良さ。
過去2作ではミックスが平板で、サウンドがやせて聞こえましたけれど、
今回のミックスは厚みが出て、奥行きが生まれています。
いわゆるアフロ・ソウルなディスコ・サウンドといえますけれど、
曲ごとに異なるカラーを持った曲が集まり、
典型的なファンキー・ハイライフの‘Bassa Bassa’ もあれば、
ルンバ調のギターをフィーチャーした‘Lucie’、
アフロビートの‘Sens Interdit’、
女性コーラスが歌うヴォードゥーの‘Tassi’ ありと、実に多彩。
トーゴリーズ・ヴードゥー・ディスコ、痛快です。
Vaudou Game "OTODI" Hotcasa HC59 (2018)