ギュイヤンヌのカーニヴァルの季節になると、
仮面をつけ着飾ったダンス・パーティーが、
首都カイエンヌのあちこちのダンスホールで行われるんだそうです。
カイエンヌでもっとも有名なダンスホール、ル・ソレイユ・レヴァン=シェ・ナナを所有する
ヴィクトール・クレは、彼のバンド、ブルー・スターズとともに、
カーニヴァル・シーズンを盛り上げるのに、なくてはならない人気歌手。
ブルー・スターズは、今年でバンド創立50周年を迎えたヴェテラン・バンドで、
今年のカーニヴァルは、さぞ盛り上がったんでしょうねえ。
近作がすべて売り切れだったのは、売れっ子の証拠なのかな。
ゆいいつ10年作の在庫があったので、
スフランとフェルミエの兄ちゃんコンビと一緒に買ってみました。
コンパから始まるこのアルバム、レパートリーはマズルカが多く、
ビギンももちろんやっていて、クレオール・ポップ満開のアルバムです。
フランス領ギアナのポップスらしい。
打ち込み不使用・生演奏保証の総天然色サウンドで、
サックスの鳴りも痛快なら、バンジョーらしき音もカクシ味で利いています。
ヴィクトール・クレも、エンタテイナーらしい吹っ切れた歌いぶりを聞かせてくれますよ。
ところで、ジャケットにも大きく掲げられているヴィクトールのニックネーム、
Quéquette とは、なんと、おちんちん(!)。
地元民から愛情込めてそう呼ばれているそうですけれど、
名付ける方も、それを受け止める方も、スゴいなギュイヤンヌ人。
Victor “Quéquette” Clet des Blue Stars "AN NOU ROULÉ!" Vhc Studio OBFS24 (2010)