おぉ、ついにマリ、バマコのサウンド・システム、バラニ・ショウが
CDで聞けるようになりましたか!
サヘル・サウンズが世界に紹介したバラニ・ショウ。
これまでLPとカセットのみのリリースで、
なぜかCDがリリースされてこなかったんですよねえ。
バマコのストリートで夜な夜なパフォームされているバラニ・ショウは、
クーペ・デカレとクドゥロのリズムに、バラフォン、ジェンベ、タマといった
伝統楽器を組み合わせたサウンド・システム。
「バラニ」がバラフォンを意味するとおり、バラフォンがサウンドの要となっています。
88年生まれのMC・ワラバは、90年代末バマコの夜に革命を起こしたバラニ・ショウで、
子供の時から育ったというラッパー。バマコのバガダジ地区に拠点を構え、
メレケ・チャッチョとコンビを組んで活躍していて、
サヘル・サウンズのコンピレにも1曲収録されていました。
いやぁ、フレッシュですねえ。シンプルでスキマだらけのバックトラックから、
キレのいいラップが飛び出してくるところが、サイコーですよ。
ムダにサウンドを厚塗りしていないバックトラックがいいんだな。
そのかわり、ビートはしっかり作り込んでいますよ。
ひょいっと裏拍を取ったり、ふんだんなアイディアが散りばめられています。
打ち込みのビートに絡みついてくる、
トーキング・ドラム(タマ)の叩きっぷりもスリリングで、
電子音と生音が有機的に結びついた聴きどころが、イッパイ。
耳残りするフックの利いた反復フレーズなど、曲づくりもうまく、ヒット性も高いですね。
さっそく南アのアフロ・ハウスのプロデューサー、アエロ・マニェロから声がかかり、
2曲をリミックスしたほか、リヨンのテクノDJもリミックスするなど、
世界から注目が集まっていますよ。
南アフリカのシャンガーン・エレクトロあたりが好きな人なら、
トリコとなることうけあいのマンディング・エレクトロ・ヒップホップ。
マリのバラニ・ショウの初CD、アフリカン・ヒップホップの傑作でっす!
MC Waraba & Mélèké Tchatcho "SUPREME TALENT SHOW" Jarring Effects/Blanc Manioc FX149 (2019)