アフロペルーのダイナマイトな夜 マヌエル・ドナイレ
ダイナマイト! シビれたぁ~♪ 新年早々、松が明ける前に、こんな素晴らしいアフロペルーのライヴを堪能できるなんて。 どうするよ、いきなり、こんなスゴいもん、観ちゃって。 今年は幸先のいいスタートが切れたなあ。 クリオージョ音楽/アフロペルーのヴェテラン歌手 マヌエル・ドナイレが来日するというニュースが飛び込んできたのが、昨年暮れのクリスマス。...
View Articleグアドループのファム・ファタール タニヤ・サン=ヴァル
ズークが爆発した80年代半ば。 ズークのアイドル・シンガーとしてジョセリーヌ・ベロアールと人気を二分した タニヤ・サン=ヴァルが、いまだ衰えぬ魅力を発揮しているのは、 デビュー作から30年来追っかけてるファンにとって、嬉しい限りです。 いくらアイドル・シンガーといえど、さすがに50を超えれば、 若い時の魅力と同じままというわけにはいかなくなるものなのに、 この人のチャーミングさは不変。...
View Articleアンゴラの伝説 ンゴラ・リトモス
ンゴラ・リトモスは、アンゴラ初のポピュラー音楽グループとして知られ、 アンゴラのポピュラー音楽史上、最重要とみなされているグループです。 アンゴラのポップスを年代別にまとめたフランス、ブダの名編集シリーズでも、 シリーズ第1弾の60年代集の冒頭2曲が、ンゴラ・リトモスでしたっけ。 表紙にもンゴラ・リトモスの写真が飾られていて、 アンゴラのポピュラー音楽を語るなら、ここから始めなければ話にならん!...
View Articleコンゴ音楽のベル・エポックを回顧して ディノ・ヴァング&ントゥンバ・ヴァレンティン
ロシュローのアフリザ・アンテルナシオナルで活躍した コンゴ・ルンバレーズの名ギタリスト、ディノ・ヴァングが、 トゥンバ・ヴァレンティンというトランペッターと共同名義で、新作をリリースしましたよ。 これがなんと、コンゴ音楽のベル・エポックを回顧した60~70年代の名曲集なんですね。 オープニングは、グラン・カレとアフリカン・ジャズ時代に ロシュローが作曲した“Adios Tete”。...
View Articleセンバを背骨にしたアフロ・ポルトゲーズ・クレオール・ミュージック ユリ・ダ・クーニャ
やあ~っと、手に入りました。 アンゴラの若手センバ歌手ユリ・ダ・クーニャの15年新作。 たくもー、なんでこんなにアンゴラものは流通悪いのかなあ。 ポルトガル盤であれ、アンゴラ盤であれ、フィジカルがまったく出回ってないんですよね。 新作すらハード・トゥ・ファインドという状況なんだから、やんなっちゃいますよ。 これじゃあ、アンゴラ音楽の盛り上がりが世間に伝わらないのも、無理ないよなあ。...
View Articleショーロ・カリオカのセッション
うわぁん、嬉しい~。 3年前に入手しそこねた、インディのショーロ・アルバムを見つけましたあ。 ブラジルのインディは、リリースされたらソッコー手に入れるのが鉄則。 あとから探そうたって、捕獲はまず絶望的になっちゃいますからねえ。 再プレスされるなんてことは、まずないので、 手に入れ損ねたら、中古で根気よく探すしかないんですけど、まあ無理筋であります。 というわけで、これも諦めていたCDだったので、...
View Articleジャズでもなければショーロでもない エドゥアルド・ネヴィス
前回のショーロ・セッションの記事で触れた サックス/フルート奏者エドゥアルド・ネヴィスのソロ作です。 買った当初に、「うわぁー、これ、いい!」と思わせるような 引きの強さがあるわけではないので、記事に書かなかったものの、 妙に胸に残って、繰り返し聴きたくなるアルバムなんですね、これが。 普段使いのつもりで買ったセーターが、 とても身体になじんで、すっかりお気に入りになったみたいな。...
View Article大人のためのインストゥルメンタル音楽 シルヴェリオ・ポンチス
前回思い出したように取り出したエドゥアルド・ネヴィスのアルバムで、 ジャズともショーロとも言い難い、なんて言ってた矢先に、 まったく同じ趣向の新作アルバムが届いちゃいました。 トランペットの大ヴェテラン、シルヴェリオ・ポンチスのソロ作。 95年にクアルッピから出した、トロンボーン奏者ゼー・ダ・ヴェーリョとの共同名義作の ショーロ・アルバム“SÓ GAFIEIRA!” が忘れられない人です。...
View Article歳なんざぁ問題じゃない ロバート・フィンリー
超弩級のとてつもない新人が現れましたよ! ルイジアナで大工をしていたという、ロバート・フィンリー、62歳。 自作曲で固めたデビュー作は、『歳なんざぁ問題じゃない』と、付けもつけたりのタイトル。 その昔、同じような意味のタイトルでデビューした15歳の女のコがいましたけど、 老いも若きも、とてつもない才能の前には、 年齢なんて関係ないことを思い知らされますねえ。...
View Articleアンゴラのアダルト向け極上クレオール・ポップ ネロ・カルヴァーリョ
アンゴラのポップスの充実ぶりを象徴するアルバムですね。 ネロ・カルヴァーリョの12年ヒット作と、その続編として出された15年作。 ネロ・カルヴァーリョは、59年ルアンダ生まれのシンガー。 南部ナミベ州の町トンブアに2年ほど暮らしていた時、 少年グループのミニ・ジョーヴェンスに15歳で参加したのが、音楽活動のスタート。 75年にポルトガルのポルティマンへ移住すると、友達のシコ・レイテと一緒に、...
View Article黄金時代のダンドゥット・サウンド復活 リリン・ヘルリナ、エリー・スサン
去年ちょっと話題になったイッケ・ヌルジャナのアルバム、覚えてます? ぼくは怒り心頭、ソッコー処分しちゃいましたが、 これのどこがダンドゥットなんだよっていう、単なるポップ・アルバムでしたよねえ。 ユニヴァーサルというメジャー・レーベルが作るんじゃ、 下層庶民のダンドゥットの臭みも、すっかり消臭されてしまってダメですねえ。...
View Articleカメルーンのアフロ・ファンカー タラ・アンドレ・マリー
オーストリアのPMGによる70年代アフロ・ソウル/ディスコのリイシューLP/CD化が、 怒涛のイキオイで進んでいますね。 DJユースのマニア向けのラインナップなので、 フツーのアフリカ音楽ファンは、無視してオッケーと言いたいところなんですが、 ファンキー・ハイライフ名盤のパット・トーマスとエボ・テイラーの共演作や、 ガンビアのゲレワルなんてホンモノの名盤が紛れ込んでたりするから、油断なりません。...
View Articleセネガル・日本同時デビュー サリウ・ニング
去年の夏、セネガルでアーティストのマネージメントや プロモーションをしているダカール在住の日本人女性から、 発売前の男性歌手のアルバムを聴いてほしいというメッセージが フェイスブックに届きました。 送られてきたMP3の音源を聴いてみると、 一聴してグリオ出身とわかる、鍛え上げられたヴォーカルが飛び出し、 おおっ、これはと、耳を引きつけられました。...
View Article魔法にかかったリマ
先週の土曜日、四谷いーぐるで、ペルー音楽研究家の水口良樹さんと、 ペルーで現地録音した経験もお持ちのアオラ・コーポレーションの高橋めぐみさんによる、 「ペルー音楽映画とその周辺」と題したイヴェントが開かれました。 サヤリー・プロダクションを主宰するラファエル・ポラール監督による 『リマ・ブルーハ』の上映を目玉にしたイヴェントで、 『ラ・グラン・レウニオン』にカンゲキした音楽ファンとしては、...
View Article街の声・山の音楽 ロサ・グスマン
いったい、どれくらい聴いたかなあ、ロサ・グスマンの2枚組。 http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-12-17 伴奏はギターとベースだけという地味なアルバムで、 しかも2枚組というヴォリュームにかかわらず、 半年間くらい毎日聴き続けたもんなあ。 この人の滋味な歌声には、ホントに惚れこみましたねえ。 そんな夢中になったロサ・グスマンですけれど、...
View Articleオーネット門下生のフリー・ファンク対決 梅津和時×グラント・カルヴィン・ウェストン
梅津和時とグラント・カルヴィン・ウェストンの共演作!! うわぁ、これは意表を突かれたなあ。 オーネット・コールマンのプライム・タイムのドラマーであり、 ジェームズ・ブラッド・ウルマーを支えたドラマーとしても忘れられないウェストンと 梅津さんが、フリー・インプロヴィゼーションを繰り広げるだなんて、夢のよう。 ぼくにとってお二人は30年来、いや、もっとか、のファンですからね、...
View Articleアブストラクト・ヒップホップ・ジャズ スティーヴ・リーマン
コロンビア大学で博士号取得をした、アルト・サックス奏者のスティーヴ・リーマン。 超知性派フリー・ジャズの人、というくらいのことしか知らなかったんですが、 セネガル、ダカールのアンダーグラウンドなヒップホップ・シーンで活動する ラッパーをフィーチャーしているという新作を聴いてみて、ビックリ。 こんな面白いジャズをやってた人だったのか。 ヒップホップのビートとジャズを、...
View Articleクランシー家のルーツを深めて ドーナル・クランシー
シャリンとしたギターの音色がいいなあ。 硬質なんだけど、タッチは柔らかくて、 シャープすぎず、まろやかにギターを歌わせています。 70年代にブルース・コバーンのアクースティック・ギターにホレこんだ ギター・ファン(古っ!)には、たまらない響きじゃないでしょうか。 ドーナル・クランシーは、アイリーン・アイヴァーズのバンドで活躍し、 チーフタンズの99年の来日公演にも、...
View Articleガーリックの子守唄 ジェナ・カミング
全編、子守唄。 ガーリック(スコットランドのゲール語)で歌った、スコットランド古謡集です。 スコットランド、インヴァネスの出身、 現在は北西沖アウター・ヘブリディーズの島々のひとつ、スカルパイー島に暮らす 女性歌手ジェナ・カミングの2作目。デビュー作が出たのは05年だから、 11年ぶりのアルバムになるわけか。寡作の人ですねえ。...
View Article再創造されたイングランドの伝統音楽 レディ・マイズリー
チャイルド・バラッドのタイトルからグループ名を取った、 イングランドの伝統音楽を掘り下げる女性トリオ。 前作“MAYDAY” から3年ぶりの新作がリリースされました。 レイガンズ・シスターズに始まり、 リチャード・ファリーニャ、トッド・ラングレンという冒頭の3曲に、むむむ。 選曲がまぁシブいというか、マニア度高っ。 古書や歴史的な音源などから古謡を発見してくる研究熱心さは、...
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