オフィシャル・リリースされた名ブートレグ リトル・フィート
リトル・フィート・ファンにはおなじみのブートレグが、ライノからオフィシャルCD化! なんと、去年11月のレコード・ストア・デイの限定商品で、リリースされていたんですと。 レコード・ストア・デイとは縁がないもので、ぜんぜん知りませんでした。 即完売となったものの、数量限定で再流通したらしく、 ロック方面にウトい自分も、ようやくそれで気付くことができました。...
View Articleフュージョン・ヴァイオリンの名作 ミハウ・ウルバニャク
「マイケル・ウルバニアク」と書かれることがもっぱらの、 ポーランド出身のジャズ・ヴァイオリニスト。 「ミハウ・ウルバニャク」と書いた方がいいんじゃないかと思うんですが、 この人のフュージョン作で、80年にモータウンから出たアルバムを、 その昔愛聴していました。 ベースにマーカス・ミラー、ドラムスにバディ・ウィリアムズ、ヨギ・ホートンという、...
View Articleネット世代のシティ・ポップ ぷにぷに電機
YouTube で「君はQueen」を観て、惹き込まれました。 ネット世代のシティ・ポップといえばいいんでしょうか。 クセのあるディクションで歌う、女性シンガー・ソングライターなんですけれど、 それが気取った感じに響いてこない。こういうタイプって、スカしたイヤミな感じに 聞こえることがほとんどなのに、それがまったくないのは得難い個性です。 ヴォーカルにすごい訴求力があって、YouTube...
View ArticleUKブラックの内省と孤独 ドゥ-ムキャノン
音楽に込められた、作者の意思の熱量がスゴイ。 演奏が伝えようとするメッセージの内容を、まったく知らずに聴いているだけなので、 きわめてあいまいな感想にすぎませんが、ストーリー性のある楽曲が並んでいて、 聴き応えがスゴイ。圧のある作品ですよ。 南ロンドン出身のマルチ奏者でコンポーザー兼プロデューサーのデビュー作。 制作に4年かけたというのもナットクの緻密さで、ストリング・アレンジを含めて、...
View Articleイノヴェイティヴなフィンガースタイル・ギター ヤスミン・ウィリアムズ
ひさしぶりにスラック・キー・ギターのアルバムを いろいろ聴いていたのが呼び水になったのか、 ステキなアクースティック・ギターのアルバムと出会えました。 サリー・アン・モーガンのインタヴュー記事で、 最近聴いているアルバムとして挙げられていた、 アクースティック・ギタリスト、ヤスミン・ウィリアムズの20年作です。 18年にデビューした新進のフィンガースタイル・ギタリストで、これが2作目。...
View Articleカヴァキーニョでサン・ジョアン祭 セルジオ・シアヴァッゾリ
アウトレット・セールで、ブラジル盤をまとめ買いしちゃいました。 日頃のチェックで気になったブラジル音楽のCDは、 おおむね買っているつもりなんだけど、 けっこう見落としているアイテムがあるんですねえ。 ここ10年分くらいの在庫一掃セールのリストを眺めていたら、 何だコレ?とまったく見覚えのないものが、ちょこちょこありました。 まず、ビスコイト・フィーノから16年に出ていた、...
View Articleクリチーバのバンドリン奏者 ダニエル・ミグリアヴァッカ
ダニエル・ミグリアヴァッカというバンドリン奏者は、初めて知りました。 スゴ腕ですねえ、この人。相当な実力者とお見受けしました。 なんか前にも、このジャケットと構図そっくりの バンドリン奏者のアルバムがありましたよね。 https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2017-09-26 経歴を見ると、サン・パウロ生まれで、2000年にクリチーバに移住してから、...
View Article70年代サンバ・ファン感涙の最高作 ニルジ・カルヴァーリョ
Nilze Carvalho "VERDE AMARELO NEGRO ANIL" Rob Digital RD178 (2015) 今回のセールで、最高のディスカヴァリー。 リオ下町ラパの新世代サンバ・グループ、スルル・ナ・ローダで、 14年と17年に二度来日してお馴染みのニルジ・カルヴァーリョの15年作。 ニルジ・カルヴァーリョは、80年にバンドリンの天才少女としてデビューして以来、...
View Articleスマートなアフリカン・ポップ K.O.G
UKのアフロ・ポップ・ユニット、オニパのヴォーカリストK.O.Gのソロ・デビュー作。 https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2019-02-02 https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2020-03-30 プロダクションがバツグンによく出来ていて、 いかにもUKらしい、スマートなアフリカン・ポップに仕上がっています。...
View Article南ア版ブッカー・T&ジ・MGズ ザ・ムーヴァーズ
う~ん、いいジャケットですねえ。 70年代南アで人気を博したインストゥルメンタル・ソウル・バンド、 ザ・ムーヴァーズのコンピレーションです。 以前、オルガン・ソウル・インスト・バンドのブラック・ディスコの記事を書きましたが、 https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2021-07-09...
View Articleブラック・ミュージックとしてのジャズ トゥミ・モゴロシ
60年ぶりによみがえった、マックス・ローチの“IT'S TIME”! これを聴いたら、ジャズ・ファンの誰しもがそう思いますよね。 アイディアの源はそれとわかっても、 本作はあのアルバムの焼き直しでも、イミテイションでもありません。 ここに込められたエネルギーは、公民権運動に呼応したマックス・ローチの気概を、 現代に受け継いだものと、はっきり伝わってくるじゃないですか。...
View Article肉声の聞こえる第6作 バーナ・ボーイ
バーナ・ボーイの前作“TWICE AS TALL” は、 パンデミックの憂鬱な気分を増幅されるようで、とても繰り返し聴く気になれず。 なんかこの人って、暗いんだよなあ。力作なのはよくわかるんだけどさあ。 大ブレイクした“AFRICAN GIANT” もそうだったけど、 なんでこんなに暗いのが売れるのかしらん。 そんな相性の悪いバーナ・ボーイなんですけれど、...
View Articleインドネシアの新世代ジャズ・ヴォーカリスト アメリア・オン
こりゃ、オドロいた。 こんなステキなシンガー・ソングライターが、インドネシアにいたなんて。 この人もまた、グレッチェン・パーラト以降の新世代ジャズ・ヴォーカリストですね。 日本初入荷なんですが、なんと7年も前の作品なのか。 これまで話題に上らなかったのは、インドネシアという地の利の悪さのせい? 新世代ジャズの文脈でも、アジアのシティ・ポップという文脈でも、 見逃せないスゴイ逸材ですよ。...
View Article耳で読む絵本 藍婷
6月に日本でもデジタル・リリースされた 台湾のシンガー・ソングライター、藍婷(ラン・ティン)のデビュー作。 ここ最近、台湾インディ・シーンが活況だということは、 通りすがりでつまみ聴きしている、ぼくのような者でも十分実感していましたが、 これはフィジカルで持っていたい!と手が伸びました。 大手のレーベルじゃ制作費がかかりすぎて、とても実現しそうにない、...
View Article気品のあるラヴ・ソング集 ペク・イェリン
『アジア都市音楽ディスクガイド』、参考にさせてもらっています。 「お、シーラ・マジッドの“WARNA”がちゃんと選ばれてる」とか、 「おい、おい、ルース・サハナヤの“...UTHE!”をセレクトしないのかよ」などと、 一人ツッコミしながら楽しませてもらいましたが、 なんといっても未知のアルバムで、自分好みのものを発見するのが、最大の眼目。...
View Articleナイト・ムード 薛詒丹
『アジア都市音楽ディスクガイド』掲載ディスク第2弾。 手元に届いたら、たった3曲しか入っていないEPで、ちょっと肩透かしでしたけれど、 デジパックのマンガの雰囲気がすごく良くて、気に入りました。 裏ジャケットの絵と、CDレーベルもシャレているので、一緒に載せておきますね。 薛詒丹(ダン・シュエ)は、台湾南部、高雄出身のジャズ・ヴォーカリストで、...
View Articleオーストラリアへ渡ったマリのギタリスト ムサ・ジャキテ
オーストラリアへ移住したマリのギタリストのソロ作。 オーストラリアでの活動となると、 ヨーロッパやアメリカの音楽メディアが取り上げることもなく、 ぼくもこんなアルバムが出ていたとは、まったく気付きませんでした。 ムサ・ジャキテは、ジェリマディ・トゥンカラ率いるシュペール・レイル・バンドで、 79年から83年までリズム・ギターを務めていたギタリスト。 その後、トゥマニ・ジャバテのバンドに加わり、...
View Article静謐な南ア・ジャズ マルコム・ジャネ
南ア・ジャズの力作が続々届きますね。 ジョハネスバーグ出身のトロンボーン、ピアノ、ドラムスのマルチ奏者、 マルコム・ジャネ率いるツリー=オーの初アルバムです。 先月記事にしたトゥミ・モゴロシのアルバムと同じ新興レーベル、 マッシュルーム・アワー・ハーフ・アワーからリリースされました。 マルコム・ジャネは、マッシュルーム・アワー・ハーフ・アワーから、...
View Articleへへ、ゴゴ、スワヒリ、英語で歌うレトロ・タンザニア ワヘンガ
タンザニア音楽のレーベル、レトロタンを昨年再起動したロニー・グレアムさんが、 デジタル・リリースした新作3タイトルのプロモCDを送ってくれました。 前回は、ターラブの初録音を残したザンジバルの歌姫シティ・ビンティ・サアド、 https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2021-09-17 タンザニアのドライ・ギターの祖、フランシス・ラファエル・ムワキチメ、...
View Articleレコメンドはデビュー作 ティスダス
今年の春先、トゥアレグのギター・バンドの新作が、 ちょっとしたリリース・ラッシュになりましたね。 https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-03-04 https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-04-13 そのなかで、ティスダスの新作“AMANAR” は取り上げませんでした。...
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