すごいぞ、チャラン・ポ・ランタン。
エイベックスと契約して、メジャー・デビューしたと思ったら、
フジロックで最大級の賛辞を浴びるなど、あれよあれよという間に急成長を遂げて、
すっかりビッグな存在になりましたねえ。
チャラン・ポ・ランタンを知るきっかけになったのは、
日本のゼロ年代ロックの最高傑作、
キウイとパパイヤ、マンゴーズの『TROPICAL JAPONESQUE』のなかで、
小春のアコーディオンが、重要な役割を果たしていたからでした。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2009-08-19
当時小春は、マンゴーズの正式メンバーではなく、サポート・メンバーでした。
ライヴを観た時、小柄な小春がおっきなアコーディオンを抱えて弾いている姿がなんとも勇ましく、
人のよさそうなマンゴーズのメンバーの中で、
一人ふてぶてしい面構えで演奏しているところも異彩を放っていて、強い印象が残ったものです。
その後、小春が妹とともに結成したチャラン・ポ・ランタンのインディ・デビュー作を聴いてぶっとび、
こりゃ、そら怖ろしい才能の持ち主だぞと、注目するようになったんでした。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2013-01-08
エイベックス・トラックス第1弾でも、
バルカン音楽、クレツマー、シャンソンをごった煮にした音楽性は従来のままに、
新たにエレクトロの導入など新機軸をみせ、攻めの姿勢を前面に出した意気は感ずでしたが、
正直言って、まだ消化不良な面は否めませんでした。
しか~し。メジャー第2弾となる本作で、エレクトロの咀嚼も万全。
「ちゃんとやってるもーん」で<ぜんぶやってるもーん>とクレジットした小春のプロダクションは圧巻。
作曲・アレンジ・プロダクションと縦横無尽に発揮する小春の音楽的才能が、もう大爆発状態。
もちろん、カンカンバルカンとのスピード感いっぱいのグルーヴも、絶好調というほかありません。
インディ・デビュー作でやっていた「ハバナギラ」の再演はスケールも倍増して、
自信に満ちたサウンドにねじ伏せられます。
そんな小春の噴火しまくる音楽性に応えるように、
さまざまな女を演じ切る変幻自在なももの歌いっぷりにも、脱帽・降参。
「男のサガ」を聴いて、冷や汗の流れないオトコはいないでしょう。
若い男のコたちが恋愛を怖がるというの最近の傾向も、わからんじゃないよなあ。
21世紀の日本女子、カナわんですわ。
チャラン・ポ・ランタン 「女の46分」 エイベックス・トラックス AVCD93323 (2016)