爽やかなアフリカン・フォーキー・サウンドに、
どこの人?と思ったら、カメルーンでした。
マリオ・コンボ。初めて聴く名前ですが、
20年のキャリアがある人だそうで、これが4作目だそうです。
こんな感じの人、なんかいたよねえと、しばし思案して、
ブリック・バッシーが浮かんだところ、
なんとそのブリック・バッシーが音楽監督・アレンジをしていて、ビックリ。
しかもこのアルバム、15年作じゃないの。
ブリック・バッシーに世界の注目が集まった“AKÖ” が出たのと、同じ年ですよ。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2015-09-27
う~ん、なんだか引き寄せるものがあるなあ。
ギターやカヴァキーニョを中心とした生音中心のアンサンブルに、
やわらかな男性コーラスと、爽やかなフルートが彩を添える
シンプルなプロダクション。余計な音を積み重ねず、
スルドなどのブラジルの楽器を使いながら、
マコッサやサンバの軽やかなリズムにのせて、マリオ・コンボは歌います。
まるでブラジルかカーボ・ヴェルデのようなサウンドですね。
クセがなく、親しみやすいメロディは、
カメルーンらしいアフロ・ポップといえますけれど、
考えてみると、カメルーンでは60年代のエボア・ロタン以降、
こうしたギター弾き語りの系譜が続いているともいえそうですね。
そよ風のようなリズム、なめらかな声と気さくな歌い口に、
カメルーン・マナーの洗練を味わえる良作です。
Mario Combo "DIMBAMBE IDENTITÉ" Bright Moon Production MC201597/1 (2015)