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サンバ・カリオカの粋 パウリーニョ・ダ・アバ

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Paulinho Da Aba  ONDE O SAMBA MORA.jpg

♪ ラ、ヤラ、ヤ、ラ、ヤラ、ヤ ♪ ラヤ、ラ、ヤラ、ラ、ヤ ♪
冒頭からサンバらしいサンバが始まって、思わず頬がほころんじゃいます。

良作サンバをリリースする信頼のレーベル、フィーナ・フロールからの新作。
柔和な笑顔を見せるこのおじさん、パウリーニョ・ダ・アバという名前ははじめて知りましたが、
80年代にベッチ・カルヴァーリョに多くの曲を提供し、
パンデイロ奏者としてもベッチに長く仕えた人なんだそう。

どれどれと、レコード棚からベッチの80年代のレコードを引っ張り出してみましたけれど、
作曲者にその名は見当たらず。パンデイロのクレジットで
81年作“NA FONTE” に「パウリーニョ」という名前があり、
83年作“SOUR NO ROSTO” には、「パウリーニョ・ブランコ」の名を見つけましたが、
これがパウリーニョ・ダ・アバなのかどうかは、よくわかりませんでした。

いずれにせよ、長年サンバをやってきたヴェテランであることは確かで、
初のソロ作という本作でも気負いはなく、力の抜けた落ち着いた歌い口で
自作のサンバを中心に歌っています。メロディアスないい曲を書く人ですねえ。
カヴァーでは、マルチーニョ・ダ・ヴィラの“Manteiga De Garrafa” が秀逸。
マルチーニョ77年の最高傑作“PRESENTE” に入っていた、短調サンバの名曲です。

プロデュースとアレンジはクラウジオ・ジョルジ。
先月取り上げたイズマエル・シルヴァ集もステキなサンバ・アルバムでしたけれど、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-02-22
ソプラノ・サックスやフルートなどを効果的に配しながら、
伝統サンバをポップに料理する手腕が鮮やかです。

ジャケット・デザインに青と白を配しているのは、
ポルテーラのシンボル・カラーを意識してるでしょうか。
ひょっとして、パウリーニョ・ダ・アバはポルテーラ所属のサンビスタなのかもしれません。

Paulinho Da Aba "ONDE O SAMBA MORA" Fina Flor FF061 (2015)

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