シャバービー目下の愛聴盤は、ナワール・エル・ズグビーで今も変わらず。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14
ひさしぶりに大ヴェテラン、サミーラ・サイードの新作が出たので、
乗り換えになるかなと思ったんですけれど、曲に魅力がなくて、ちょい期待外れ。
というわけで、ナワールが依然として不動の座を占めてたんですが、
ごひいきのエジプトの歌姫シェリーンの新作が届き、さあ、果たして交代なるか。
シェリーンは、03年にフリー・ミュージックからデビューし、一躍トップ・スターとなった人。
3作目の07年作からロターナに移籍、6作目となる14年の前作ではエジプトのノグムに移り、
新作はUAEのビーリンク・プロダクションからリリースされました。
アラブ全国区で人気を誇るシンガーらしく、
これまではシャバービー典型のカラフルなプロダクションにのせて歌っていましたけれど、
この新作はだいぶ様子が違います。
ゴージャスな弦楽オーケストラを伴奏に歌っていて、
これまで1・2曲はあったエレクトロ調の曲も、今回はまったくなし。
なんかフェイルーズみたいだなと思いながら、聴き進めていくと、
歌いぶりもいつものシェリーンの甘ったれた手弱女ふうな風情じゃなく、
クールなふるまいを演出しているよう。
これ、完全にフェイルーズを意識してるでしょ。
女王フェイルーズとは比べようもありませんけれど、
いつものチャーミングな軽い歌い口と、
がらりと雰囲気を変えたアダルトなムードは、悪くありません。
全編エレガントなバラード・アルバムで、アラブ歌謡らしい曲は、
アラビックなパーカッションが活躍する終盤5曲目の1曲のみ。
わずか22分弱という異色作のミニ・アルバム。これは、いけます。
Shireen "TARIKI" Beelink Productions no number (2015)