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みずみずしさを失わないアイリッシュ・ミュージック レアルタ

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うわ、すごいバンドになったな。
12年のデビュー作では、イーリアン・パイプスの二人に女性ギタリストのトリオだったけれど、
ベースとバウロンを加えた5人組になって、スケールが一段デカくなりましたよ。
北アイルランドの首都ベルファストで活動するバンド、レアルタのセカンド作です。
これ、往年のボシー・バンドと比較したくなるほどの快作じゃないですか。

アルタンのマレード・ニ・ウィニーがデビュー作を絶賛していて、
それで聴いてみた覚えがあるんですけれど、正直それほどとは感じなかったんですよね。
でも、今作は、マレードが「若々しくエネルギッシュ」と称賛したとおりのサウンド。
疾走するイーリアン・パイプスとホイッスル、5人がリズムの塊となったパッションは、
若々しい今だからこそと思わせる、華やぎそのものです。

アレンジもすごく冴えてますよね。各楽器の配置をくっくりと浮き立たせながら、
アンサンブルとソロを組み合わせていく妙は、
頭でヒネり出して譜面に書くようなものではなく、ヘッド・アレンジの良さでしょう。
そんな自然発生的なプレイの闊達さが、演奏のすみずみまで行きわたっています。
一方、メンバーが歌うソングのアマチュアぽい歌いぶりにも、好感が持てますねえ。

演奏から零れ落ちんばかりのみずみずしさ。
今生まれ落ちたかのように歌われる、18世紀のラヴ・ソング。
アイルランドの伝統音楽は、いつもこんなふうに若者たちが、
伝統が古びて苔生す前にゴシゴシと洗い流し、
フレッシュに更新させていくところに魅力を覚えます。

Réalta "CLEAR SKIES" no label ADC002 (2016)

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