ジョイスの“FEMININA” については、前にも書いたことがありましたね。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2010-09-23
その“FEMININA” を含む、ジョイスのもっとも輝いていた80年代前半の諸作が、
去年の暮れにブラジルでボックス化されました。
80年の“FEMININA”、81年の“ÁGUA E LUZ”、83年の“TARDES CARIOCAS”、
85年の“SAUDADE DO FUTURO” の4作は、
ジョイスのキャリアで疑いなく最高の時期でした。
前の記事で「“FEMININA” 一枚で十分」とのたまいながら、ソッコーこのボックスを買ったのは、
“ÁGUA E LUZ” と“TARDES CARIOCAS” に喜び勇んだから。
2枚とも、ブラジル初の単独CD化なんですよ~(泣)。
“FEMININA” 続編ともいうべき“ÁGUA E LUZ” は、
日本盤では何度も単独CD化していましたけれど、
ブラジルでは一度もCD化されたことがなかったんですよねえ。意外でしょ。
“FEMININA” との2イン1CDはあったけれど、
ぼくの2イン1ギライは前の記事にも書いたとおりで、
これでようやく落ち着いて聴くことができます。
その後、EMIオデオンとの契約を打ち切り、
自主制作で出したのが、フェミニーナ盤の“TARDES CARIOCAS” でした。
何度かイギリスのファー・アウトがCD化しましたが、オリジナル・ジャケットを改変し、
曲順を変えているうえ、A面1曲目の“Diga Ai Companheiro” をカットするという、
意味不明の編集がフンパンもののCDでした。
メジャー・レーベルを蹴り、自分のやりたい音楽を追及したジョイスの気概がくっきりと示された、
予算の乏しい2色刷りのジャケット・デザインが、今回ようやく再現されました。
“Diga Ai Companheiro” もちゃんと収録されていますよ。
ただ今回はボーナス・トラックという扱いで、本篇の最後の曲順になっているのが不可解。
この曲に、なんか問題があるんですかね(謎)。
自主制作で出した後に、ポインターへ移籍して出した“SAUDADE DO FUTURO” は、
ぼくにとっては不要なCD化。LPはとっくの昔に売却しちゃったもんでね。
あらためて聴き直しましたけれど、ジルソン・ペランゼッタのDX7のサウンドが、
ジョイスのみずみずしさを損なっている印象は、変わりませんでした。
そして大名作の“FEMININA” には、5曲のボーナス・トラックが追加。
ジョイスがゲスト参加して歌ったアントニオ・アドルフォの77年作と78年作のほか、
アルバム収録曲をコーラス・グループのヴィヴァ・ヴォスがカヴァーしたトラックなどで、
悪くはないけれど、まあ蛇足のそしりは免れないでしょう。
というわけで、個人的に“ÁGUA E LUZ” と“TARDES CARIOCAS” CD化バンザイの
ボックスでありました。
Joyce "ANOS 80" Discobertas DBOX59