今回で4作目?
え、たったそれだけしか、ソロ・アルバム作ってなかったんだっけか。
アンプ・フィドラーは、80年代からPファンク軍団の一員として活躍し、
80年代末には地元デトロイトの若いラッパーを支援して、
J・ディラをフック・アップし、90年代にはセオ・パリッシュやムーディーマンなど
ディープ・ハウス・シーンともつながっていた、デトロイト・シーンの重鎮。
そんなイメージがあっただけに、これほどの寡作家だったとは、意外や意外。
昨年のディスコ・ブギーなファンク・アルバムはパスしてしまいましたけれど、
今回はムーディーマンがトータル・プロデュースし、
なんと故J・ディラのトラックを使った曲が呼び物となっていると聞いては、
素通りするわけにいきません。
さらに今作では、アンプの兄バブズ・フィドラーも参加しているとあっては、
兄弟デュオのミスター・フィドラーでアンプを知った者には、
ますますココロ惹かれてしまいます。
オープニングのラジオのジャイヴ・トークから、ぐいっとつかまれてしまいましたよ。
Pファンクからディープ・ハウスを横断しつつ、
全体にはムーディーマンらしい洗練されたシルキーなサウンドでくるんでいて、
官能的なグルーヴに満ちたアルバムに仕上げていますね。
なかでも、J・ディラ絡みのトラックが、やはり聴きもの。
ディラが在籍していたグループ、スラム・ヴィレッジのオリジナル・メンバーのT3や、
ポストJ・ディラともいわれるワジードも参加していて、
ビート・ミュージックやジャズへの影響力の大きさも、あらためて感じ入ってしまいました。
アンプ・フィドラーのキャリアを集大成した、
いわばデトロイトのミュージック・カルチャーの40年史を凝縮したアルバムです。
Amp Fiddler "AMP DOG KNIGHTS" Mahogani Music M.M41CD (2017)