ストラットからミスター・ボンゴに移籍してリリースした、
ガーナのハイライフの大ヴェテラン、エボ・テイラーの新作。
これ、復帰後の最高作じゃないですか。
10年の復帰第1作“LOVE AND DEATH” も快心の出来でしたけれど、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2010-11-18
まさか82歳でこんなスゴいアルバムを作るとは、驚嘆です。
歌いっぷりまで若返っているのは、いったいどういうことなんですか。
いや、恐れ入りました。
ストラットから出した2作は、ベルリンをベースに活動する
多国籍ユニットのアフロビート・アカデミーがバックアップしていましたけれど、
今作はエボ自身のバンド、ソルトポンド・シティ・バンドと、オランダで録音しています。
最近は地元ガーナやヨーロッパのツアーでも、このバンドと活動しているようで、
トランペット、トロンボーンの2管を含むメンバー全員、ガーナ人です。
キーボードのヘンリー・テイラーとパーカッションのロイ・X・テイラーは
エボの息子で、ヘンリーがヴォーカルをとっている曲もありますよ。
今回のアルバムをプロデュースしたのは、ジャスティン・アダムス。
タイトに引き締まったバンド・アンサンブルのアレンジや、
ホーンのダブ・ミックスなどには、
ジャスティンがかなり助力したものと思われます。
ジャスティンはアディショナル・ギターとしてもクレジットされていますが、
どこで弾いているのかわからないほど、控えめな参加ぶりですね。
むしろ、ハイライフ・ジャズ・ギタリストであるエボのギター・ソロを、
要所でくっきりとフィーチャーしているところは、
主役を引き立てるジャスティンらしいプロデュースです。
リズムを全編アフロビートで通しているのは、時代のトレンドなんだろうなあ。
“Ankona'm” “Aba Yaa” のようなハイライフ・ナンバーは、
ベル・パターンのハイライフのリズムで演奏した方が似合うはずなんですけれども。
なんでもかんでもアフロビートにしちゃうのが、
ハイライフ・ファンには少し残念ですけれど、
これだけビシッと引き締まった力強いサウンドを生み出してくれれば、不満はありません。
昨年はジェドゥ=ブレイ・アンボリーの新作に快哉を叫んだものですけれど、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2017-05-29
今年はエボ・テイラーと、ガーナのハイライフのヴェテランの現役感に脱帽です。
Ebo Taylor "YEW ARA" Mr Bongo MRBCD155 (2018)