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クールなヒップホップ世代のコロゴ スティヴォー・アタンビレ

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Stevo Atambire.jpg

脚光を浴びるガーナ北部フラフラ人の音楽コロゴから、ニュー・フェイスの登場です。
届いたのはガーナ盤CDで、これは珍しいですね。
メイド・イン・ガーナのコロゴCDを手にするのは、ボラ・ナフォ以来じゃないかな。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05

早速聴いてみると、多彩な語り口を持つ実力派で、
雄弁な歌いっぷりが説得力十分の、いいシンガーですねえ。
コロゴは反復フレーズをひたすら繰り返すシンプルな曲が特徴ですけれど、
全19曲というアルバムを、単調になることもなければ、ワン・パターンにも陥らず、
さまざまなアイディアで飽きさせないプロデュースが光ります。

プロデュースは、先日来日したルーマニア生まれのガーナ人という、
マルチ・カルチュラルなルーツを持つワンラヴ・ザ・クボロー。
レコーディングやミキシングも担当していて、
アルバム制作では、モーリシャスのレーベルとコラボして資金を集めるところも、
ワールドワイドな活動をするワンラヴの手腕のようです。
ブダペスト出身の鍵盤奏者率いるアフロ・グルーヴ・バンド、アバセに、
スティヴォーがゲスト参加していたのも、ワンラヴの仕掛けなのかも。

さまざまなゲストの起用も、ワンラヴの人脈をフル活用したようで、
一番の聴きものは、ハイライフの大ヴェテラン、
ジェドゥ・ブレイ・アンボリーをゲストに迎えた‘Minus Me’。
ホーン・セクションをフィーチャーして、
ファンク・ベースも交えた、ユニークなコロゴ・ファンクをやっています。

ワンラヴ自身も参加してラップ(語り?)を2曲で披露しているほか、
ガーナのヒップホップ・ミュージシャン、メディカルをフィーチャーして、
ヒップホップ・コロゴをやってみたりと、多彩なゲストの個性とのぶつかり合いが
いい化学反応を起こして、スティヴォー自身の才能を拡張させています。

コロゴ一本の弾き語りもあれば、
ベースが低音をブーストしたダンス・トラックでは、
鮮やかなグルーヴを披露してくれます。
ビートの組み立てがよく工夫されていて、
トーキング・ドラムなどの生のパーカッションに、
エレクトロのビートを控えめに絡ませたりして、
サウンドの意匠は、アクースティックな伝統的なスタイルを保ちながら、
リズムやビート感覚は現代的なセンスに富んでいるところが、とてもフレッシュです。

少し調べてみたら、スティヴォーはこのソロ・デビュー作以前、
ブルキナ・ファソ気鋭のラッパー、アート・メロディと組んだマビーシというユニットで、
1枚アルバムをデジタル・リリースしているんですね。
アート・メロディと組んでいたとは、ヒップホップのセンスも十分なわけです。
スティヴォーの天然・野生児なヴォーカルが、めちゃくちゃクールに響くのも、
そんなヒップホップのセンスを兼ね備えたうえで、
巧みなサウンド・プロダクションが貢献したからといえそうです。

Stevo Atambire "TEACH ME" Koool Kreol no number (2017)

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