バイーアの新人サンフォネイロ ジュニオール・フェレイラ
バイーアらしいアフロ・リズムにのせて、 ヴォイス・パーカッションの多重録音で始まる冒頭からぐぐっと引き込まれる、 バイーア出身の新人サンフォネイロ(アコーディオン奏者)のデビュー作。 続いて、バイオーンのリズムにのせてアコーディオンがすべり込んでくるところで、 もうツカミはオッケーというか、前のめりになるしかありません。 途中、ギターがジャジーな速弾きを繰り出すところで、降参です。...
View Article『バイーアのサンバ』と『サンバのバイーア』 ギガ・ジ・オグン、ヴァルミール・リマ、セウ・レジ・ジ・イタプアーン
バイーアの3人のヴェテラン・サンビスタが集まり、 各自4曲ずつ持ち寄って歌ったサンバ・アルバム。 この企画の下敷きとなったのが、73年にフォンタナから出た バイーアの重鎮サンビスタ3人、リアショーン、バタチーニャ、パネーラによる “SAMBA DA BAHIA” だというのだから、嬉しいじゃないですか。 “SAMBA DA BAHIA”...
View Articleトゥアレグのゴッドマザー バディ・ララ
ティナリウェンの”LIVE IN PARIS” にフィーチャーされた、 伝説のトゥアレグ人女性歌手バディ・ララ。 80歳にしてリリースされた初アルバムです。 https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-01-09 アルジェリア南部、ニジェール国境に近い町 イン・ゲザムで37年に生まれたバディ・ララは、...
View Articleクロンチョンの生まれ故郷で クロンチョン・トゥグー
クロンチョン・トゥグー? そんなクロンチョン楽団があるの? クロンチョン発祥の地トゥグーのクロンチョン楽団といえば、 由緒あるオルケス・クロンチョン・カフリーニョ・トゥグーが有名ですけれど、 クロンチョン・トゥグーという楽団名は、初耳です。 調べてみると、オルケス・クロンチョン・カフリーニョ・トゥグーの チェロ奏者だったアレンド・J・ミッシェルが、88年に結成した楽団とのこと。...
View Articleコンゴ独自のルンバ誕生史物語
『パームワイン・ミュージック・オヴ・ガーナ』から2年。 https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27 ついに出ました! コンゴ・ポピュラー音楽黎明期のヴィンテージ録音集。 深沢美樹さん所有のSPコレクションから選曲、 健筆もふるった48ページの日本語解説(プラス全文英訳!)付きという、 世界中のアフリカ音楽ファンが瞠目する2枚組ボックスです。...
View Articleムーリッシュ・エレクトロ アフメドゥ・アフメド・ロウラ
サヘル・サウンズの新作は、モーリタニアのシンセ奏者のソロ・アルバム。 相変わらずのサヘル・サウンズの悪弊で、CDには曲名しか載っておらず、 解説もクレジットもまったくなし。レーベル・サイトを見てもロクな情報は載っておらず、 かろうじてバンドキャンプの解説に、父親が有名なティディニート奏者である 音楽一家の生まれ、という一文があるので、...
View Articleトラディショナルでフューチャリスティックなエレクトロニック・マロヤ
レユニオンのエレクトロニック・マロヤについては、 以前ラベルのデビュー作を取り上げたことがあります。 https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-03-07 ラベルは「マロヤ・エレクトロニクス」を標榜していましたけれど、 マロヤだけでなく、もっと幅広いクロス・カルチュアルな音楽性を持っていて、 そこに注目したんですけれど、このアルバムは、マロヤど真ん中といった...
View Articleフレッシュなモーダル・ジャズ アレックス・シピアジン
こういうシリアスなモーダル・ジャズを聴くのは、ひさしぶりかも。 クリス・クロスでずっとリーダー作を出していた トランペッターのアレックス・シピアジンが、 新たにブルー・ルーム・ミュージックから出した新作です。 クリス・クロスじゃありえない、現代的なセンスのあるジャケットがいいですねえ。 「ジャズ保守」を絵に描いたクリス・クロスのジャケット・デザインが...
View Articleシカゴのニュー・ジェネレーション・ジャズ・グルーヴ レザヴォア
カーテンを開けて、ぱあっと朝の光が差し込むすがすがしさ。 小鳥のさえずりが聞こえてくるなか、 女性のハミングにストリングスが織り成す、柔らかなサウンド・テクスチャー。 ムーンチャイルドを思わせるオープニングのイントロに、心をつかまれました。 シカゴの新世代ジャズ・レーベル、インターナショナル・アンセムから登場した 6人組バンド、レザヴォアのデビュー作です。 思わずムーンチャイルドを連想したように、...
View Articleルンバ人生を総括して ランバート・カバコ
ランバート・カバコは、コンゴ共和国の名門楽団レ・バントゥー・ド・ラ・カピタールで、 45年以上フロントを務めたシンガー。 そのランバートの初ソロ作にして、遺作となったアルバムが届きました。 ランバート・カバコは、48年ブラザヴィルの生まれ。 59年に結成されたコンゴ共和国を代表する名門楽団、 レ・バントゥー・ド・ラ・カピタールに72年に入団し、 ‘Osala Ngai Nini’‘Lokumu...
View Article芳醇なオールディーズ・ルンバ ウタ・マイ
な~んて芳醇なルンバ・コンゴレーズなんでしょうか! グッド・オールド・デイズなサウンドに、身も心もトロけます。 コンゴ音楽史上最高の名門楽団TPOKジャズに74年に入団し、 フロント歌手の一人として活躍したヴェテラン歌手、ウタ・マイの新作です。 前回のランバート・カバコの遺作にも、ウタ・マイはコーラスに加わっていましたけれど、 ソロ・アルバムはいつ以来ですかね。ウン十年ぶりなんじゃないのかしらん。...
View Articleギュイヤンヌのカーニバル スフラン・ケ・フェルミエ
フランス領ギアナの音楽というと、 マルチニークの音楽をイナタくしたという印象が強いんですけれど、 スフランとフェルミエというコンビの新作なんて、まさにそのもの。 ギターのカッティングや、ぴちぴちと弾けるリズム・セクションを聴いていると、 ラ・ペルフェクタとかパカタクといったあたりの 80年代マルチニークの伝統ポップ・サウンドが思い浮かんで、 なんだか懐かしくなりますねえ。...
View Articleギュイヤンヌのおちんちん ヴィクトール・クレ&ブルー・スターズ
ギュイヤンヌのカーニヴァルの季節になると、 仮面をつけ着飾ったダンス・パーティーが、 首都カイエンヌのあちこちのダンスホールで行われるんだそうです。 カイエンヌでもっとも有名なダンスホール、ル・ソレイユ・レヴァン=シェ・ナナを所有する ヴィクトール・クレは、彼のバンド、ブルー・スターズとともに、 カーニヴァル・シーズンを盛り上げるのに、なくてはならない人気歌手。...
View Articleギュイヤンヌのクレオール・リズム ヴァレリー・ジョアンヴィユ
フランス領ギアナのCDをあれこれ買ったのは、 ヴァレリー・ジョアンヴィユの80年作がCD化されたのを知ったからでした。 せっかくだから、ほかにも何かないかなと探して、網に引っ掛かったのが、 スフランとフェルミエやヴィクトール・クレだったんですね。 で、そのお目当てのヴァレリー・ジョアンヴィユの80年作、 フランス領ギアナの伝統音楽に関心がある人なら、見逃せない名作なんですよ。...
View Articleオールド・タイム・バンジョー ケリー・ハント
ゴミやキズがたくさん付いたネガ・プリント。 まるで災害現場に落ちていたかのような、古く退色した写真を演出したジャケットは、 メンフィス生まれ、今はカンザス・シティに暮らすという、 女性シンガー・ソングライターのデビュー作です。 テナー・バンジョーの弾き語りという、シブいアメリカン・フォークのスタイルは、 近年のアメリカーナとはちょっと趣が違っていて、...
View Articleフェラ・クティのエネルギーを借りて ファルズ
いきなりフェラ・クティの‘JJD’ が飛び出し、ノケぞり。 のっけからアッパー・カットを食らって、身体は硬直、ボーゼンとしてるところに、 続いて‘Zombie’ が畳みかけてくるんだから、 うおーーーーーーー、こいつぁ、ハンパない。 さらに‘Coffin For Head Of State’ をサンプリングしたトラックまであるじゃないですか! ナイジャ・ヒップホップのラッパー、ファルズの新作は、...
View Articleジャイヴ・ヴォーカル名盤 スキャットマン・クローザーズ
祝♡ 祝♡ 祝♡ マイ・フェヴァリット・ジャイヴ・アルバム、 スキャットマン・クローザーズの56年トップス盤が、 ようやーっと、まともなフォーマットでCD化されました! ジョー・キャロルのチャーリー・パーカー盤にエピック盤とともに聴き倒した、 生涯の愛聴盤であります。 「まともなフォーマットで」と書いたのは、 98年に“OH YEAH!” というタイトルで一度CD化されたことがあったんですけれど、...
View Articleクールなヒップホップ世代のコロゴ スティヴォー・アタンビレ
脚光を浴びるガーナ北部フラフラ人の音楽コロゴから、ニュー・フェイスの登場です。 届いたのはガーナ盤CDで、これは珍しいですね。 メイド・イン・ガーナのコロゴCDを手にするのは、ボラ・ナフォ以来じゃないかな。 https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05 早速聴いてみると、多彩な語り口を持つ実力派で、...
View Articleアフロ・グルーヴ・クイーン マヌ・ガロ
うぇ~い! カッコえぇ~!! 元ザップ・ママのベーシスト、マヌ・ガロが昨年出していた4作目、サイコーっすね! 1年以上も前に出てたのかぁ。気付いている人、誰かいた? 『アフロ・グルーヴ・クイーン』ってドンピシャなタイトルに、このジャケ! いや、もう、なにをかいわんやでしょう。 ブーツィー・コリンズとチャックDをゲストに呼んだアフリカのアーティストって、 彼女が初じゃないの?...
View Articleサイケデリック・エレクトロニック・マロヤの大傑作 チ・フォック
エレクトロニック・マロヤのコンピレで ひさしぶりにチ・フォックと再会したんですけれど、 そういえばチ・フォックって、どうしてるんだろう。近況がぜんぜん伝わってきませんね。 https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2019-08-01 チ・フォックはジスカカンと並ぶ、現代マロヤの重要アーティスト。 マロヤをフューチャリスティックに変貌したサウンドで、...
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