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コンゴのママたちのエレクトロ・ララバイ レ・ママン・デュ・コンゴ &ロビン

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Les Mamans Du Congo & Rrobin.jpg

うわ、めっちゃ、キュート。
コンゴ(ブラザヴィル)の若いママ5人、レ・ママン・デュ・コンゴと
フランス人トラックメイカーのロビンが出会って、
インスピレーションのノリいっぱつで仕上げたふうなアルバム。

ミニマルなトラックにジャスト・フィットしている女性コーラスは、
ちょい聴きでは伝統的にも聞こえますけれど、
そのビート・センスは、ヒップ・ホップを消化していることは明々白々。
両者がしっくりといっているのも、そんな共通のベースゆえでしょう。

18年にグラディス・サンバが結成したレ・ママン・デュ・コンゴは、
先祖代々伝わってきたコンゴの子守唄とダンスを取り戻そうと始めたプロジェクト。
グラディス以外のメンバーは流動的のようで、
コンゴ女性の日常生活をラリ語で歌っています。
グラディスによれば、若い母親たちは子守唄を知らず、
テレビで流れるアーバン・ミュージックのヒット曲しか歌えないと嘆きます。

そんな瀕死の状態にあるコンゴの文化を取り戻すために、
忘れ去られた子守唄を復活させ、長く家父長制に縛られ続けてきた女性たちを、
キッチンから解放しようというのが、
グラディスのこのプロジェクトにかけた思いなのですね。

レ・ママン・デュ・コンゴの音楽と、
ロビンのトラックメイクを接続するのに一躍を担ったのが、
コンゴの人気シンガー、ザオのバンドで長くベースを弾いてきた、アーメル・マロンガです。
レ・ママン・デュ・コンゴがフォーク、皿、バスケット、杵など、
女性が使う台所用品のリサイクル打楽器を使って歌うコーラスの質感と、
ロビンのトラックメイクがフィットするよう、アーメルはディレクションしています。

Armel Malonga  Popka.jpg

ちなみに、本作の前に出たアーメルの新作が、子供たちの歌を集めたものというのも、
見事にヴェクトルが合ってるなあと思ったら、二人は夫婦と聞き、なーるほどと納得。
アーメルはロクア・カンザ、ジャコブ・デュヴァリューなどとも共演歴のあるヴェテランで、
アフロ・ポップ最前線で活躍した経験がしっかりと生かされていますね。
アーメルのアルバムもとてもよくディレクションされているので、ぜひ聴いてほしいな。

ロビンは、初期ディープ・ハウスの影響色濃い、
音の隙間をたっぷりとったサウンドを聞かせていて、
デビュー作で南アのスポーク・マサンボをゲストに迎えていただけのことはある、
アフリカン・エレクトロニック・ミュージックへの深いシンパシーを感じさせます。

グラディスが18年に“ABSENCE” というアルバム(デジタルのみ)を
出していることに気付き、早速聴いてみたところ、
エレクトロを効果的に使ったサウンド・メイキングをしていて、
ロビンの音楽性にぴたりハマるのも、よくわかります。
両者の融合が見事に発揮されたトラックは、早口ことばになる遊び唄のような‘Meki’ で、
ここで聞かれるグラディスのラップは、アルバム最高のハイライトです。

Les Mamans Du Congo & Rrobin "LES MAMANS DU CONGO & RROBIN" Jarring Effects FX154 (2020)
Armel Malonga "POPKA COMPTINES, DANSES ET BERCEUSES DU CONGO BRAZZAVILLE" ARB Music 486146 (2020)

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