COVID-19禍の影響か、エチオピアのオンライン・ショップが開店休業になってしまって
困っていたんですけれど、ようやく再開したようで、良かった、良かった。
さっそく新たにラインアップされた4アイテムを入手しました。
まずはじめに紹介するのは、オムニバスで見かけたことはあるけれど、
ソロ・アルバムは初めて手にした、エチオピアの伝統派シンガー、
メセル・ファンタフンの新作です。
少しハスキーな、独特の声質を生かしたシャープな歌いっぷりが胸をすきます。
耳残りするこの個性的な声に、まず耳を奪われますよ。
こぶし使いも申し分なく、相応のキャリアを経た歌声であることは疑いないですね。
バックは、エチオピア国内制作の打ち込みとシンセをベースにしたプロダクションですが、
ハチロクのアムハラのビートがキビキビとしていて、
ドラムスやホーンズが生でないウラミはさほど感じないでしょう。
曲調に合わせて、サンプルの手拍子を効果的に配したり、
さりげなくレゲトンのリズムを借用したりしていて、ビートメイクに工夫がみられます。
アレンジで珍しいなと思ったのは、ホーンのラインをギターが弾いている曲があったり、
ギターのアルペジオで始まる曲があること。シンセ中心のサウンドのなかで、
こういう曲が出てくると、ピリッと引き締まりますね。
ギターのリズム・カッティングやベースが、ファンクぽいニュアンスを生み出していたり、
モダンなサウンドがエチオピア民俗色濃い曲に、よく馴染んでします。
Meselu Fantahun "ATISHISHI JEMBER" Awtar no number (2021)