こりゃあ、ゴージャスだ。
インディ・サザン・ソウル・シーンの名プロデューサー、ビート・フリッパの仕事を集大成。
なんと一挙27曲をディスク2枚に詰め込んだ、
チタリン・ベスト作というべき内容のアルバムです。
ベスト・プロデューサーの意を汲んだタイトルが誇張でないことは、聴けば歴然。
27曲すべて珠玉と呼びたいほど、選りすぐりの逸品揃いで、
あらためて、現行サザン・ソウル・シーンにおけるビート・フリッパの存在感を
思い知らされます。フィーチャリングされるシンガーは、ポーキー・ベア、
アイザック・J、ゲットー・カウボーイ、タイリー・ニール、オマー・カニングハム、
マジック・ワン、ベニート、サー・チャールズ・ジョーンズ、
チップ・ザ・シンガー、ウィルソン・メドウズ、J=フィッツ、もう書ききれません!
とにかく上に並べた名前にピンと来る人なら、買って間違いなし。
これほどディープな歌い口を堪能できるのは、インディ・シーンならではでしょう。
とりわけディスク2の充実ぶりは、どうです!
ごひいきサー・チャールズ・ジョーンズの‘Tell Me Is It Love’ にもシビれたけど、
女性シンガーもディープですよお。
チップ・ザ・シンガーの‘My Rockin Chair’ のブルージーさといい、
ザ・レディ・ソングバード・ジンダの‘You Can't Have My Man’ の狂おしさといい、
胸を掻きむしりたくなるような熱さをこみ上げさせるのが、サザン・ソウルの真髄ですね。
Beat Flippa "P.O.T.Y. (PRODUCER OF THE YEAR)" Ross Music Group MUI CD10531 (2020)