久しぶりに聴くサルサ新作。
データベースに打ち込んでいて気付いたんですけど、最後に買ったサルサの新作が、
エディ・パルミエリの18年作“FULL CIRCLE” なんだから、ヒドいもんだ。
19年・20年ともに、1枚の新作も買っていなかったのかあ。
旧作にちょくちょく手を伸ばしていたから、
サルサとそんなに縁遠くしていたつもりはないんだけど、
近年不作だったってことは、明々白々でありますね。
ソノーラ・ポンセーニャに長く在籍したあと、エディ・パルミエリ楽団に加入して、
先に挙げていた“FULL CIRCLE” でもプレイしていた
ヴェテラン・コンガ奏者のリトル・ジョニー・リベーロのアルバム。
「ミュージック・マガジン」2020年ベスト・アルバムのラテン部門に
ノミネートされていたのも、ナットクの品質保証アルバムで、
時流に色目を使うことのない、王道のサルサを堪能できます。
さすがコンゲーロ率いるオルケスタだけあって、リズムのキレはバツグン。
ホーン・セクションに弦セクションを加えたアレンジは、バランスもよく取れていて、
プエルト・リコ・サルサらしい流麗さを発揮していますよ。
リード・シンガーに起用された、
若手のアンソニー・アルモンテの歌いっぷりもいいじゃないですか。
張りのある声はフレッシュそのもの、歌心もあるし、申し分ありません。
クレジットを眺めたら、集まったメンツは豪華絢爛。
ピアノとベースは、カーティス兄弟、ティンバレスのルイシート・キンテーロ、
トランペットのジョナサン・パウエル、トロンボーンのジミー・ボッシュ、
トレスのネルソン・ゴンザレスと、ニュー・ヨークの精鋭揃いじゃないですか。
さらに、エディ・パルミエリの名曲‘Mi Corazon Te Llama’ のカヴァーでは、
なんとパルミエリ御大がゲスト参加してピアノ・ソロを披露するという見せ場もあり。
ニュー・ヨークの精鋭が揃ったプエルト・リコ・サルサというのが、オツですね。
こういう充実作となかなか出会えなくなっているサルサ・シーンですけれど、
COVID-19禍でペア・ダンスを踊るのもはばかられる現在、
サルサ需要がますます減ることになりはしないか、心配であります。
Little Johnny Rivero "GOLPE DURO" Mod Squad MODS016075-9 (2020)