おぅ、‘Paula C’ だっ!
ルベーン・ブラデスの新作は、なんとルイ・ラミレスの78年作
“LOUIE RAMIREZ Y SUS AMIGOS” のオープニング曲の再演からスタート。
う~ん、懐かしい。当時この曲ばっかり何度も聴き返していた記憶があるんだけど、
やっぱ、いい曲だよなあ。ルベーン・ブラデスの魅力は、楽曲の良さだよね。
あらためてウン十年ぶりに原曲を聴き直したら、演奏の音のあまりの悪さに閉口。
そうそう、思い出したけど、この曲、なぜか歌と伴奏のミックスがオカシくて、
伴奏がヘンにこもった音質だったんだよな。
再演したヴァージョンでは、33年を経たルベーンの歌いぶりに変化は感じさせず、
オリジナル・ヴァージョンを尊重したアレンジで、
オリジナルを超えた仕上がりになりました。
今作もロベルト・デルガド・オルケスタとの共演で、
すっかりルベーンの専属といった感じでしょうか。
今回は“SALSWING!” というタイトルどおり、
サルサとスウィング・ジャズのナンバーをミックスして聞かせる趣向で、
オトナのダンディズムを演出した、変化球入りのアルバムとなっています。
ただその趣向は、どーなのかなあ。聴く人を選びそうで、
フランク・シナトラの雰囲気むんむんの、ブロードウェイ調スウィング・ジャズ曲は、NG。
スカした歌いぶりが、もう鼻持ちならなくって。ルベーンにはこういう嗜好もあんのね。
こういうの聞かされると、やっぱルベーンって、歌手としては好きになれないタイプだなあ。
スウィング調のインスト曲は悪くないので、歌なしでインストだけにすりゃよかったのに。
とまあ、全面支持しにくい新作ですが、前作の延長線上のサルサは申し分なし。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2017-08-11
ピート“エル・コンデ”ロドリゲスに提供した‘Tambó’ のセルフ・カヴァーも
気合が入っていて、こういうのだけ、聴きたかったな。
Rubén Blades Y Roberto Delgado & Orquesta "SALSWING!" Rubén Blades Productions 2RBP0021 (2021)
Louie Ramirez "LOUIE RAMIREZ Y SUS AMIGOS" Cotique JMCS1096 (1978)