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70年代ノルデスチのポップ・ロックふたたび バンダ・パウ・イ・コルダ

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Banda De Pau E Corda  MISSÃO DO CANTADOR.jpg

レシーフェのヴェテラン・バンド、バンダ・パウ・イ・コルダの新作です。
う~ん、なつかしい。いまも健在だったんですねえ。
おととし、結成45周年記念のライヴ盤を出していたらしいんですが、
それには気付かなかったなあ。

バンダ・パウ・イ・コルダは、72年にセルジオ、ロベルト、ヴァルティーニョの
アンドレージ三兄弟によって結成されたグループ。
17年にドラムスのロベルトとベースのパウリーニョが亡くなり、
新たなメンバーを加えて活動しているそうです。

北東部音楽に初めてロック感覚を持ち込んだ世代のグループで、
70年代当時は、キンテート・ヴィオラードと
兄弟グループみたいなイメージがありましたね。
サイケデリックな印象も強かったキンテート・ヴィオラードに比べると、
バンダ・パウ・イ・コルダの方は、爽やかなフォーク・ロック・サウンドが持ち味でした。

前の世代のルイス・ゴンザーガたちのように、
サンフォーナ(アコーディオン)やザブンバといったノルデスチ印の楽器を使わずとも、
フレーヴォ、ココ、マラカトゥなどノルデスチの音楽を鮮やかにロック化してみせたのは、
同時代のMPBを共有する世代のセンスだったといえます。
半世紀近くたっても、70年代のあのみずみずしいハーモニーや
サウンドの鮮度が保たれているのは、貴重ですねえ。

この世代の後となると、ヒップ・ホップ/エレクトロ感覚のマンギ・ビートや、
メストリ・アンブロージオのような伝統再構築派で、
またサウンドのカラーががらりと変わるので、
彼らのようなポップ・ロックなサウンドは、70~80年代特有だったといえます。
シコ・セーザルとゼカ・バレイロをゲストに迎えた本作、
あの時代を知らない若い世代にも、新鮮に響くんじゃないでしょうか。

Banda De Pau E Corda "MISSÃO DO CANTADOR" Biscoito Fino BF741-2 (2021)

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