男泣きの南ア・ソウル・ジャズ マイク・マガレメレ
今回、もろもろ手に入れたアッ=シャムス(ザ・サン)盤CDで、一番驚いたのがコレ。 サックス奏者マイク・マガレメレの75年デビュー作。 CD化されていたことを知らなかったので、それ自体もオドロキでしたけれど、 なんでまたザ・サンから出たんでしょうねえ。オリジナル盤はジョバーグなんですけれども。 調べてみたら、81年にザ・サンが再発していたんですね。...
View Article20年ぶりの新作 パウロ・セルジオ・サントス
ショーロのクラリネット奏者パウロ・セルジオ・サントスが、 なんと20年ぶりに新作を出しましたよ! 少し前にギンガとのデュオ作はあったけれど、本人名義のアルバムは、 今作と同じトリオ編成の01年作“GARGALHADA” 以来のはず。 レーベルは20年前と同じクアルッピだけれど、この20年の間に クアルッピは活動を休止、その後閉鎖の憂き目にあい、...
View Article70年代ノルデスチのポップ・ロックふたたび バンダ・パウ・イ・コルダ
レシーフェのヴェテラン・バンド、バンダ・パウ・イ・コルダの新作です。 う~ん、なつかしい。いまも健在だったんですねえ。 おととし、結成45周年記念のライヴ盤を出していたらしいんですが、 それには気付かなかったなあ。 バンダ・パウ・イ・コルダは、72年にセルジオ、ロベルト、ヴァルティーニョの アンドレージ三兄弟によって結成されたグループ。 17年にドラムスのロベルトとベースのパウリーニョが亡くなり、...
View Article香港の60年代ワールド歌謡 潘迪華(レベッカ・パン)
世界中のヒット曲を歌うカヴァー歌手として人気を集めた、 香港のレベッカ・パンの60年代の名作群が、 オリジナルのままCD化されているの、知っていました? 『レコード・コレクターズ』で2か月にわたって記事を載せたんですが、 拙ブログの読者は雑誌を読まない方が多いので、こちらでも紹介しておきますね。 レベッカ・パンは上海に生まれ、戦後香港へ渡って歌手デビューした人。...
View Articleリスボン郊外ゲットー・コミュニティ発の電子音楽 プリンシペ
ミュージック・マガジンの「ニュー・スタンダード2020s」で、 ポルトガル語圏アフリカ(PALOP)音楽を特集するにあたって、 編集の新田晋平さんからディスク・ガイドの選盤に、 「ポルトガルのレーベル、プリンシペは入りますか」との問いかけがあり。 う~ん、こういうアドヴァイスは、本当にありがたい限り。 ぼくが電子音楽界隈には疎いことを見越して、さりげなく教えてくれているわけで、...
View Article世界に飛び出たギター・ティンデ レ・フィーユ・ド・イリガダッド
ニジェールのトゥアレグ女性グループ、レ・フィーユ・ド・イリガダッドが、 ワールド・ツアーをしているというニュースには、 レーベル元であるサヘル・サウンズの本気度というか、 このグループに本腰を入れているんだなあと感じましたね。 その成果が実って、19年の秋、2年に及んだワールド・ツアーの最後に、 ニュー・ヨーク、ブルックリンで行われた2晩のライヴが アルバムとなってお目見えしました。...
View Articleキゾンバ祭り絶賛開催中 アリー
この夏は、キゾンバ祭りだっ! 梅雨が明けるのと同時に、どういう巡り合わせか、 アンゴラのキゾンバの良作が、どどっと手に入って、夏気分が全開。 どれも旧作なんですけど、スグレモノ揃いで、嬉しいったらありゃしない。 思わずその昔、ズークが初めて日本に上陸したときの記憶が蘇りました。 あれは、87年の夏だっけ。 GDプロダクションやデブのズークのアルバムが大量に日本へ上陸して、...
View Articleラグジュアリーなキゾンバ ペロラ
アリーのセカンドで、ヘヴィー・Cのプロデュース手腕に感じ入ったんですが、 ペロラのセカンドでもヘヴィー・Cが大活躍しています。 こちらは全曲プロデュースではないものの、大多数のトラックを手がけています。 ペロラことジャンディラ・サシンギ・ネトは、83年、アンゴラ第3の都市ウアンボ生まれ。 13歳の時に家族でナミビアのウィントフックに移り、...
View Articleアダルト・オリエンテッドなキゾンバ エリカ・ネルンバ
まだまだ続く、キゾンバ祭り。なんたって、大収穫祭ですから。 今度は、19年の本作が3作目となるエリカ・ネルンバ。 83年ルアンダ生まれというから、ペロラと同い年ですね。 ペロラのスムースな歌声とはまた別の、張りのある太い声が特徴。 アルト・ヴォイスのアダルトな歌声が魅力です。 01年に行われたコンテストでプロ入りしたエリカ・ネルンバは、 03年にデビュー作“PENSANDO EM TI” を出し、...
View Articleキゾンバ生みの親の会心作 エドゥアルド・パイン
これが今回一番の拾いモノというか、意外だった一作。 キゾンバの生みの親、エドゥアルド・パインの12年作。 エドゥアルドのCDは何枚か持っていたけど、全部処分しちゃったし、 これもまったく期待できそうにないジャケだなと思ったら、 1曲目から、アコーディオンにヴァイオリンが絡み、 カヴァキーニョが涼し気なコラデイラのリズムを刻むセンバでスタートし、 中盤からホーン・セクションや女性コーラスも交えた、...
View Articleサヴァイヴァーの底力 ドム・カエターノ
な~んていい顔してるんでしょうか。これこそ、福顔ですよねぇ。 アンゴラのヴェテラン・シンガー、ドム・カエターノのソロ第3作。 センバの名門楽団ジョーヴェンス・ド・プレンダで、 85年から96年まで看板歌手を務め、数多くの受賞に輝いたシンガーです。 ヴェーリャ・グァルダのサンビスタみたいなご尊顔ですけれど、 58年生まれでぼくと同い年なんだよなあ。なんで、こんなに風格あるの?...
View Articleモーリタニアン・サイケデリック・ギターの饗宴
17年の夏に来日したヌーラ・ミント・セイマリを取材したとき、 ドラマーでプロデュサーのマシュー・ティナリから連絡先を渡され、 少しばかりメールをやり取りしたことがありました。 https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2017-10-20 そのなかで、ヌーラの夫のギタリスト、ジェイシュ・ウルド・シガリのギターが聞ける...
View Articleディスク1枚分の未発表音源リイシュー ドゥドゥ・プクワナ
南ア・ジャズのサックス奏者ドゥドゥ・プクワナの77年作が、2度目のCD化。 これまでに、オリジナルのままCD化したのは日本だけですけれど、 今回はディスク1枚分の未発表音源を付けてリイシューしたんだから、 これは大事件です。 ボーナス・トラックならぬボーナス・ディスク付きという今回の2枚組CD化、 40年以上このレコードを聴き倒してきた人間には感涙ものなんですが、...
View Article祝! ブッダ盤CD化 ウィルバート・ハリソン
ウィルバート・ハリソンの71年ブッダ盤がCD化されていたのか! いやぁ、これには気がつかなかったなあ。 ウィルバート・ハリソンのベスト盤3枚組の中に、さりげなく全曲収録されていたとは。 う~ん、これは、嬉しい。 リー・ドーシーの“YES WE CAN” にカンゲキして、 アラン・トゥーサンがアレンジしたレコードを 片っ端から探していた、高校生の時に出会ったアルバムです。...
View Article門外漢向けブレイクビーツ名作 ジョン・ハッセル
ジョン・ハッセルの音楽は、凋落する西洋文明の断末魔と捉えていた(いる)ので、 テリー・ライリー同様、自分とは縁がない音楽家と思っていただけに、 ブルースクリーンと組んだ94年の“DRESSING FOR PLEASURE” を聴いたときは、 ひっくり返らんばかりにオドロいたものでした。 えぇ~? このゴキゲンなブレイクビーツが、ジョン・ハッセルなのぉ??...
View Articleキング・オヴ・タラヴァ メダ
エドナ・ラロシにテウタ・セリミの二人の女性歌手をきっかけに、 コソヴォにタラヴァというポップスがあることを知りました。 歌手の層が厚く、ミュージック・ヴィデオもかなり作られていて、 つまみ食いしただけでも、面白い人にゴロゴロ当たるんですよ。 タラヴァのCDを売っているアルバニアのお店を見つけたので、 気になった歌手のCDをオーダーしてみたんですが、 わずか1週間足らずで届きました。...
View Articleタラヴァの現場から トラボイン・メハイ
前回に続き、コソヴォのタラヴァです。 こちらはメダよりだいぶ若い歌手で、トラボイン・メハイと読むのでしょうか。 ネット検索しても、あまり情報がなく、本作がデビュー作なのかもしれません。 全9曲、どれもメロディがオリエンタル色濃厚で、タラヴァらしさ満点。 う~ん、いいねぇ。リスナーをグイグイとダンスに誘いますよ。 9曲ともすべてメドレーで繋いで、ノン・ストップ形式でラストまで突っ走るのは、...
View Articleジュジュが沸点を迎えた81年 エベネザー・オベイ
いぇ~い! ついにオベイの81年作“EYI YATO” のCD見っけ! キング・サニー・アデとともにジュジュの一時代を築いたエベネザー・オベイのレコードで、 ゆいいつCDが手に入らなかったんですよ。 オベイのレコードは、ナイジェリア現地ですべてCD化されていることがわかっているのに、 なぜかこの1枚だけ、長いこと見つからなかったんですよねえ。...
View Articleバハマが生んだギター・マスター ジョゼフ・スペンス
ジョゼフ・スペンスの65年未発表録音集? へぇ~、半世紀以上も眠っていた音源かぁ。 もう何十年もジョゼフ・スペンスを聴いていないので、 懐かしくなって手が伸びました。 ぼくがこのバハマのギター・マスターの存在を知ったのは、 ご多分に漏れず、ライ・クーダーの『紫の渓谷』がきっかけ。 ジョゼフ・スペンスの‘Great Dreams From Heaven’ をライがカヴァーしていたんですね。...
View Articleライ・クーダーのアクースティック・セット
ジョゼフ・スペンスを知るきっかけとなったのが、 ライ・クーダーの『紫の渓谷』だったことは、前回書きましたけれど、 あのレコードのオリジナル曲を聴いてみると、 ライのヴァージョンとはぜんぜん違ったりして、ずいぶん驚かされたもんです。 ウディ・ガスリーの「自警団員」なんて、とても同じ曲とは思えなかったもんねえ。 ライがさまざまなアイディアを施して、曲をアレンジするばかりでなく、...
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