まだまだ続く、キゾンバ祭り。なんたって、大収穫祭ですから。
今度は、19年の本作が3作目となるエリカ・ネルンバ。
83年ルアンダ生まれというから、ペロラと同い年ですね。
ペロラのスムースな歌声とはまた別の、張りのある太い声が特徴。
アルト・ヴォイスのアダルトな歌声が魅力です。
01年に行われたコンテストでプロ入りしたエリカ・ネルンバは、
03年にデビュー作“PENSANDO EM TI” を出し、
08年にセカンド“AGORA SIM!” のあと、本作まで10年以上も沈黙してしまいます。
いったいどうしてたのかと思えば、この方、なんとお医者さんなんですね。
そちらの仕事が忙しくて、音楽活動からずっと離れていたそうで、
この3作目は自己資金で制作したんだそうです。
自主制作とはいえ、しっかりとプロデュースされた作品で、
メロウでいい曲だなと思ったら、カンダの作曲だったりと、楽曲も粒揃い。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2016-10-25
エリカもいい曲を書いていますね。
もろにズークな‘Estrilho’ なんて、キャッチーな佳曲じゃないですか。
フィーチャリングされたゲスト歌手も4人いて、
リル・サイントとデュエットした‘Café Mwangolé’ では、
テナー・ヴォイスのリルとアルト・ヴォイスのエリカの対比が絶妙。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2018-06-03
DJフィラスというトラックメイカーは知りませんでしたが、
なんとこの人もエリカと同業の医者で、トラックメイクだけでなくデュエットもしています。
そしてなにより話題をさらうのは、パウロ・フローレスとデュエットしたセンバでしょう。
キゾンバのレパートリーが並ぶなか、この曲‘Novos Tempos’ だけがセンバで、
なんとパウロ・フローレスは歌だけでなく、作詞も提供しています。
伴奏には、パウロ・フローレスの新作でも起用されていた、
大ベテランのコンガ奏者のジョアンジーニョ・モルガドが参加しています。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2021-06-11
アダルト・オリエンテッドなキゾンバ、間違いありません。
Erika Nelumba "POLIVALENTE" no label no number (2019)