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ンビーラ名手の忘れがたき名盤 エファット・ムジュール

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Ephat Mujuru & The Spirit of The People  MBAVAIRA.jpg

わぁ、懐かしい!
ジンバブウェのンビーラ・マスター、エファット・ムジュール率いる
ザ・スピリット・オヴ・ピープルの83年セカンド作がCD化。

ザ・スピリット・オヴ・ピープル名義で出したエファット・ムジュールの
80年代の3作のうち、いちばん愛聴したのが、このレコードだったんだよな。
これをCD化するとは、オウサム・テープス・フロム・アフリカ主宰の
ブライアン・シンコヴィッツ、わかってるねえ。

拙著『ポップ・アフリカ800』のエファット・ムジュールの項に、
なんて書いたっけなあと思って読み返してみたら、
「エファットのソロならば、80年代のスピリット・オヴ・ザ・ピープルを
率いた諸作が最高だが、残念ながら未CD化」と書いていた。
そうそう、まさしくこのセカンド作を想いながら、これを書いたんだっけなあ。

エファットと相棒のトーマス・ワダルワ・ゴラが弾く2台のンビーラに、
ホーショ(シェイカー)を振るタベタ・マティキの3人によるミニマルな演奏が、
ショナ人のクロス・リズムの奥義を、たっぷりと披露してくれます。
遠くへ声を投げつけるようなワダルゴのヴォーカルが、いいんだなあ。
ンビーラのアルバムというと、ついぞ楽器演奏ばかりに注目が集まりますけれど、
ぼくはこのショナ独特の奔放な歌があってこその音楽だと思うんですよね。

祖先の霊と交流するための音楽であるからこその、
霊を引き寄せる芯の強い声に、クロス・リズムが催眠状態を生み出すグルーヴ。
オルゴールのようなンビーラ2台のサウンドに、
シャッシャッと規則的に刻まれるホーショのビートによって、
円環を描くようなサウンドスケープを生み出していく。
ショナ音楽のエッセンスがここに詰まっています。

本作は4曲収録で、収録時間はたったの23分。
81年の第1作、87年の第3作、まとめて3イン1CD化できたような気もするけど、
オリジナル・フォーマットのままのCD化が個人的には嬉しいので、大満足です。
ちなみに81年の第1作は、ジンバブウェ独立1周年を記念して、出たんですよねえ。
『ポップ・アフリカ700』にジャケット写真を載せたけど、
せっかくだから、ここにも載せておきましょう。

Ephat Mujuru  & The Spirit of The People.jpg

Ephat Mujuru & The Spirit of The People "MBAVAIRA" Awesome Tapes From Africa ATFA038 (1983)
[LP] Ephat Mujuru "THE SPIRIT OF THE PEOPLE : THE MBIRA MUSIC OF ZIMBABWE" Gramma ZML1003 (1981)

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