10年ほど前、「忘れじのレコード屋さん」という記事を書いたことがありました。
CDが主流メディアとなり、街からレコード屋がすっかり消えてしまったので、
昔よく通ったレコード屋の思い出を、6回シリーズで語ってみたんですけれども。
あれから10年。時は移ろい、サブスクが全盛となってCDショップが次々と閉店し、
海外の通販サイトも消えゆく時代となりました。
これまでお世話になった海外のオンライン・ショップが撤退や閉鎖を余儀なくされ、
お付き合いは年々減る一方です。
思い返すと、PCを買って初めて利用した海外通販サイトは、
アメリカのCDNOW でしたね。
94年に、ペンシルヴェニアで創業したオンライン・ショップです。
のちにアマゾンに吸収されてしまいましたけれど、
日本の輸入CDショップに入荷しないCDをオーダーするため、使い始めました。
やがて大手のCDショップばかりでなく、
小さな専門店を探り当てては、渡り歩くようになっていくんですが、
その手始めの店が、ロンドンのスターンズでした。
最初にオーダーしたときのインヴォイスを見ると、
日付は01年9月24日となっていますね。もう20年も前なのかあ。
日本に入ってこないナイジェリアのジャズホール盤で、
エディー・ジーの“U-ROO BA VYBE DIALEKTICS” ほか計4枚を買っています。
う~ん、なつかしい。
インターネットをダイヤルアップで接続していた時代で、
♪ピー、ヒョロロ~♪ という接続音を聞きながらページをクリックするという、
今の若い人には、なんのことやらわからないだろう、のんびりした時代でした。
ネットがサクサク動くという概念すらない時代で、亀のようにのろいレスポンスでも、
画面を覗き込んでは、どきどきしながらサイトのカタログをチェックしていたものです。
スターンズの実店舗には、ロンドン出張したときにもよく通ったんですが、
その時に買ったナイジェリア、ハウサの名プレイズ・シンガー、
マンマン・シャタのポリドール盤のA面がCD化されて、
オンラインのカタログに載ったときは喜び勇んだっけなあ。
ソッコー、オーダーすると、すぐにカタログのカート欄が
out of print のグレー表示に変わり、首尾よく1点ものをゲットできたのでした。
ナイジェリア音楽でヨルバやイボの音楽に比べて、
ハウサ音楽は入手困難なだけに、LP・CD双方をスターンズから買ったのは、
不思議な巡り合わせで、感慨深かったです。
ロンドンとニュー・ヨークのお店はすでに閉店してしまいましたが、
ウェブ・サイトはまだ生きています。
というものの、もう2年以上もカタログは更新されておらず、
在庫もすべて売切となったまま。これじゃまるで、幽霊サイトだよねえ。
ずいぶんお世話になったお店だけに、なんともさみしい話であります。
Ede Gidi "U-ROO-BA VYBE DIALEKTICS" Jazzhole JAH001D (1997)
[LP] Alhaji Mamman Shata "ALHAJI MAMMAN SHATA" Polydor POLP121 (1985)
Alhaji Dr. Mamman Shata "THE LIVING SONGS OF THE LEGEND (SERIES 1)" Premier Music PMCD019