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厳しい時代だからこそ人は強くなれる ネイオ

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Nao  AND THEN LIFE WAS BEAUTIFUL.jpg

うわぁ、まんま90年代R&Bじゃないですか。
ネイオの新作は、ブランディーやインディア・アリーを連想させる
90年代サウンドのフレーヴァーが横溢。
デビュー作のエレクトロ・ファンクは後退した感じかな。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2016-08-20

ネイオらしい、ネオソウル調のドリーミーなオルタナティブR&Bなど、
ミディアムをメインにした曲中心ながら、バラードの美しさは特筆もので、
ピアノやストリングスを効果的に使って、生音のオーガニックな空気を
生み出しているのが印象的です。

辛いことや困難なことがあっても、必ず乗り越えられるという
メッセージを込めたと、ネイオ自身が語るように、
パンデミックの困難な時代にも、ポジテイヴな思考を貫いて
人生を乗り越えていこうとする強い意志が、ネイオの歌いぶりから伝わってきます。

コケティッシュな個性的な声は、デビュー当時から変わらないものの、
チャーミングさのなかに太い芯を宿すようになったのは、
ひとりの母として、彼女が人間的に大きく成長したからでしょうか。

新しく生まれた命を「時代の救済」と歌う、希望に満ちた‘Antidote’ は、
なんとナイジェリアのアデクンレ・ゴールドをフィーチャリングしたアフロビーツ。
まさかここでアフロビーツが聞けるとは思いもよりませんでしたが、
その意外さより、彼女のしなやかな強さに感じ入りました。
女性としてのプライドを主張した‘Woman’ での自信に満ちた姿にも、
それが表れているし、客演したリアン・ラ・ハヴァスとのコンビも絶妙です。
ネイオとリアン・ラ・ハヴァスの二人とも、母親がジャマイカ出身ですね。

聖歌隊のコーラスを取り入れた曲や
自作のバラード‘Amazing Grace’ の気高さに、
厳しい時代だからこそ人は強くなれるという、
ネイオの信念が溢れているじゃないですか。
オプティミズムを引き寄せるのは、ポジティヴな姿勢であることを
体現した傑作です。

Nao "AND THEN LIFE WAS BEAUTIFUL" Little Tokyo Recordings/Sony 19439900502 (2021)

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