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グローバライズされた新感覚エチオピアン・ポップ ミッキー・ハセット

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Micky Haset.jpg


ジャケットのコスチュームから、伝統系のシンガーかなと思ったら、大ハズレ。
オープニングは、エチオピア色皆無のコンテンポラリー・ポップ。
2曲目はラウル・ミドンふうのギターに、コーラスとブラスが絡みながら、
最後にギター・ソロも披露する、なかなか洒落たアレンジを聞かせてくれます。
主役のミッキーのスムースな歌い口は、
フュージョン・アルバムにフィーチャリングされるタイプのシンガーのよう。

ビート・ミュージックにも似た打ち込みを強調しつつ、音数を絞った3曲目でも、
柔らかなサウンドのテクスチャとソフトなヴォーカルが絶妙で、
チェリナのデビュー作を思わす新感覚のエチオピアン・ポップが味わえます。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2020-01-06

かと思えば、4曲目はアムハラらしいハチロクで、マシンコやクラールも登場します。
ミッキーはコブシを回さずに、スマートに歌い切っていて、その手触りは新感覚。
このサウンドをエチオ色が薄れたといぶかしむ向きもありましょうが、
ぼくはグローバライズされた新時代のエチオピアン・ポップとして、「アリ」だと思うなあ。
6曲目のティジータなんて、新世代のエチオ情緒という感じで、ぼくは支持しますね。

5曲目のソフトなファンク、7曲目はレゲエ、そのほかレゲトンなどもやりつつ、
アルバム・ラストは、ホーン・セクションを従えた従来のエチオピアン・マナーなポップスで
締めくくっていて、う~ん、ウマい構成ですねえ。

この人のバイオについては情報がないんですが、
Vol.1 とあるので、デビュー作なんでしょうね。
ミュージック・ヴィデオはいくつかネットに上がっていて、
一番古い17年のヴィデオでは、なんとトランスをやっていてビックリ。

その後生音中心のシンプルな音楽性にシフトしたらしく、
エレクトリック・ギター、アクースティック・ギター、
ベース、サックス、男女コーラスをバックに、
ミッキーはジェンベ2台にハイハットとシンバルのセットを叩きながら歌う、
スタジオ・ライヴふうのヴィデオがあります。
こうした変遷を経て、たどり着いた本作、今後も楽しみな人です。

Micky Haset "HASET" Micky Haset no number (2021)

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