ソカ最前線バンド ケス
ザ・ソウル・レベルズのジャケ裏に載ったクレジットをチェックしていて、 ケスの名を見つけた時、一瞬、戸惑ってしまいました。 えっと…、だれだっけ? 覚えのある名ではあったんですけど、 すぐに思い出すことができませんでした。 あ、そか、ソカのケスだ。 無意識に出た自分のオヤジギャグに、思わず苦笑してしまいましたが、 そういや、ソカを聴かなくなってずいぶんになるなあ。...
View Articleパワー・ソカ・モナークとよさこいチーム マチェル・モンターノ
ケスと一緒にゲットしたのが、 人気沸騰中だったマチェル・モンターノの“THE RETURN”。 懐かしくなって、こっちも棚から取り出して聴いてみたんだけど、 うぉ~、このエネルギー、やっぱハンパないなぁ。 11年当時、震災ショックが癒えずに、あまり聴くことができなかったんだけど、 いま思えば、それもしかたなかったよなあ。 このパワーについていくには、気力体力ともフルじゃなきゃ、...
View Articleブラジル黒人女性の輝き ジュリアーナ・リベイロ
ステージ映えする声、と形容すればいいんでしょうか。 ミュージカルにどハマリしそうな、素晴らしい歌声の持ち主ですね。 サルヴァドール出身のジュリアーナ・リベイロは、 サンバ・ダンサーからアフロ・ブロコの名門イレ・アイエのシンガーに抜擢され、 キャリアを積み重ねてきたというシンガー。 まろやかな発声とふくよかな声質という資質に恵まれて、...
View Articleハード・ゴスペル・シャウター・オン・ピアノ レヴァランド・ロバート・ボーリンジャー
すんげぇ~~~。 超強力なハード・シャウターぶりに、のっけからノケぞって、 泡吹きそうになっちゃったじゃないですか! サンクティファイド派スタイルのピアノを弾きながら、 こんな強烈なシャウトをかますシンガー、はじめて聴きましたよ。 ベア・ファミリーが今回2枚のCDにまとめたロバート・ボーリンジャー牧師、 63年と65年にピーコックからレコードを出している人だそうですが、...
View Article快調示す復帰作 オマール・ペン
オマール・ペンが11年に出した“NDAYAAN” は、 オマールのソロ・キャリアとしては最高のアルバムでしたね。 シュペール・ジャモノの看板歌手として、長年にわたって活躍してきたオマールですが、 “NDAYAAN” は、シュペール・ジャモノと離れ、 フランス人ミュージシャンたちとともに制作したアルバムでした。 コロコロと鳴るバラフォンに柔らかく響くコラの音色にのせて、...
View Article非常事態宣言下のエチオピアン・ゴスペル カルキダン・ティラフン(リリィ)
エチオピア北部ティグレ州で続く政府軍とティグレ人民解放戦線(TPLF)の内戦により、 11月3日エチオピア政府は、ついに非常事態を宣言。 南進するTPLFに備え、アディス・アベバでは当局が市民に対し、 保有している武器を届け出て自衛に備えよと呼びかける、緊迫した状況に陥りました。 ちょうどその二日前、エチオピアのお店にオーダーしたばかりで、...
View Article解き放たれた歌声 ラヘル・ゲトゥ
デビュー作は、こうでなくっちゃねえ。 若さはじける歌声がまばゆい、ラヘル・ゲトゥのデビュー作です。 94年アディス・アベバ生まれ、 11歳から青少年シアターで歌手兼俳優としてキャリアを積んできた人だそう。 メリスマをテクニカルに効かせながら、アーティキュレーションも鮮やかな ダイナミズムを感じさせる歌いぶりのオープニングから、 リスナーをその歌唱に引きずり込みます。...
View Articleグローバライズされた新感覚エチオピアン・ポップ ミッキー・ハセット
ジャケットのコスチュームから、伝統系のシンガーかなと思ったら、大ハズレ。 オープニングは、エチオピア色皆無のコンテンポラリー・ポップ。 2曲目はラウル・ミドンふうのギターに、コーラスとブラスが絡みながら、 最後にギター・ソロも披露する、なかなか洒落たアレンジを聞かせてくれます。 主役のミッキーのスムースな歌い口は、 フュージョン・アルバムにフィーチャリングされるタイプのシンガーのよう。...
View Article忘れじの海外通販サイト その4 Yell Africa
個人経営の小さな海外通販サイトの場合、 日本向けに送ってくれる店を探し当てるのがひと苦労というのは、 前回のワン・ワールドの回でお話ししましたね。 それとはまた別に、そもそも信頼のおける店を見つけることじたい、 やっかいなのが、ナイジェリア人オーナーのオンライン・ショップでした。 ナイジェリアといえば、419詐欺事件で世界中に悪名がとどろくほど...
View Articleバンバラ・グルーヴの元祖 シュペール・ビトン・ド・セグー
リリース告知以来、胸をときめかせて待っていたアルバムが、ついに届きました! かつてのバンバラ王国の都セグーが生んだ、 マリ最高のバンド、シュペール・ビトンの未発表音源集でっす!! 1曲目の‘Ndossoke’ から、バンバラ独特の泥臭いグルーヴが爆発。 期待どおりのサウンドが飛び出して来て、もう心臓バクバクもんです。 タイトルから察するに、バンバラの猟師を称える口承伝統から着想を得たものや、...
View Articleマルチニークが生んだ異才のラテン・ジャズ アンリ・ゲドン
マルチニークが生んだ異才の音楽家、アンリ・ゲドンの75年作がリイシューされました。 アンリ・ゲドンはパーカッショニストであるものの、 ベレ(ベル・エアー)などの伝統的なマルチニーク音楽ではなく、 ニュー・ヨーク・ラテン~ブーガルー~サルサの音楽家と共演して、 グァグァンコー・ジャズ、グアヒーラ・ソウルなどの音楽をクリエイトしていたことは、 04年にコメットが編纂したコンピレ“EARLY LATIN...
View Articleスコットランド・ゲール語の伝承歌集 マイリ・マクミラン
しみじみ、いいアルバムだなぁと、ため息がこぼれました。 スコットランド、アウター・ヘブリディーズ諸島のサウス・ウイスト島から登場した、 マイク・マクミランのデビュー作。 美しく澄んだその歌声が、スコットランド・ゲール語を鮮やかに響かせます。 スコットランド・ゲール語の歌に囲まれ、何世代にもわたるゲール語文化の伝統を、 生活として学びながら育ってきた人であることが、...
View Article物語に昇華した歌は時を越えて カリーン・ポルワート
カリーン・ポルワートは、スコットランドのシンガー・ソングライター、 そしてまた、優れた伝承歌の歌い手でもある人ですね。 個人の感情を歌いつづることと、土地や人々に息づいた伝承の語り部となることは、 二律背反であるものなのに、両者を成り立たせる稀有な歌手が 世の中にはちゃんといて、カリーン・ポルワートもその一人といえます。 カリーン・ポルワートには、忘れられないアルバムがあります。...
View Article上海オールド・エイジの中華ジャズ 上海老百樂門元老爵士樂團
パリのムーラン・ルージュやニュー・ヨークのブロードウェイと肩を並べる 音楽の社交場が、40年代の上海にもあったんですね。 百樂門(パラマウント)は、中国に初めて誕生した高級ボールルームで、 そこで夜な夜な紳士淑女を踊らせたというジミー・キング・バンドもまた、 中国初のジャズ・バンドといいます。 90年になって、ジミー・キング・バンドに在籍していた老演奏家たちを集め、...
View Articleレディ・ソウルの帰還 リーラ・ジェイムズ
う~ん、この塩っぱい声といったら! 歌い出しの第一声で、 聴き手の胸をキュッとつかまえてしまう訴求力は、ほんとにスゴイ。 リーラ・ジェイムズ、4年ぶりの新作だそうですが、 ぼくが聴くのは05年のデビュー作以来。ずっとフォローを怠ってたなあ。 ひさびさとなった再会なんですが、 歌ぢから満載のソウル・ミュージックに、すっかり降参です。 ローファイな音質を演出した打ち込みのドラミングに始まる1曲目から、...
View Articleハイブラウなアルテ トミ・トーマス
ナイジェリアの新興ジャンル、オルテがCDで聴けるとは珍しいじゃないですか。 オルテのプラットフォームは、サウンドクラウドやYouTubeがメインなので、 フィジカルがほぼ存在しないジャンル。 日本盤が出たレディ・ドンリは、ゆいいつの例外でした。 オルテは、アフロビーツとほぼ同じ音楽性、というより、 アフロビーツを相当聴き込んでいる人でないと、その差異を感じ取るのは難しく、...
View Articleグナーワを拡散してシャービへ収斂 ジマウィ・アフリカ
アルジェリアのミクスチャー・バンド、ジマウィ・アフリカの新作が届きました。 ジマウィ・アフリカは、04年にアルジェの大学で結成された学生バンド。 2000年代に入って、アルジェリアでバンド・ブームが湧き上がりましたけれど、 数ある新人バンドのなかでは、抜きん出た実力を持つバンドでした。 グナーワ・ロックを標榜し、08年にデビュー作を出し、11年のライヴDVDを経て、 13年に“AVANCEZ...
View Articleグルーヴィになったエチオピアン・ゴスペル アディサレム・アセファ
カルキダン・ティラフンの新作に、 エチオピアン・ゴスペルの近作の充実ぶりを感じたばかりですが、 https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2021-11-18 ここ数年のゴスペル作品がどれもが水準以上で、驚かされます。 4~5年くらい前に、エチオピアン・ゴスペルをごっそり買って、 ほぼ全部処分してしまうという、憂き目に遭ったもんだから、...
View Articleアフロビーツ世代のエチオピアン・ポップ ヘノック・マハリ
コンテンポラリー・ポップの新作も取り上げておきましょう。 ヘノック・マハリは、78年アディス・アベバ生まれ。 04年に“EWNETEGNA FIKIR (TRUE LOVE)” でデビューした、 キーボードを弾きながら歌うシンガー・ソングライター。 04年作は買ってはみたものの、もう手元にないので、記憶にありません。 ヘノックはその後、ギターのロベル、ベースのルワムの3兄弟で...
View Article初冬にブラジリアン・ジャズ・ヴォーカル マルチーナ・マラナ
ブラジルのジャズ系シンガー・シングライター、マルチーナ・マラナの新作。 といっても、2年も前に出ていたアルバムですね。 14年のデビュー作では、マルチーナが即興を師事したアンドレ・マルケスの アヴァンギャルドなホーン・アレンジによって、 シンフォニックなサウンドを聞かせていましたが、 本作はクァルテート・BRSが伴奏を務め、フルート、フリューゲルホーン、...
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