アルジェリアのミクスチャー・バンド、ジマウィ・アフリカの新作が届きました。
ジマウィ・アフリカは、04年にアルジェの大学で結成された学生バンド。
2000年代に入って、アルジェリアでバンド・ブームが湧き上がりましたけれど、
数ある新人バンドのなかでは、抜きん出た実力を持つバンドでした。
グナーワ・ロックを標榜し、08年にデビュー作を出し、11年のライヴDVDを経て、
13年に“AVANCEZ L’ARRIERE” を出しています。
ぼくはこのセカンドで注目するようになったんですけれど、
本作は、それ以来8年ぶりとなるアルバムです。
グナーワとロックをミックスするだけでなく、シャービやレゲエのほか、
ヴァイオリンがアイリッシュのようなフィドル・プレイを聞かせる曲まであります。
カビール・フォークを超越して、ケルト・サウンドまで想起させる
幅広い音楽性が魅力のバンドですね。
メンバーの多彩なバックグラウンドが、おそらく反映されているんでしょう。
音楽性の引き出しの豊かさに加えて、アレンジは巧みだし、
なにより演奏力の高さが、このバンドの強みといえます。
ゲンブリ、マンドーラ、コラ、アコーディオン、ホイッスル、ベンディールなど、
曲ごとにさまざまな楽器を手を変え品を変えて使い、
管楽器はメンバー以外にも補強して、ホーン・セクションの厚みを増しています。
ヴォーカル陣のなかには、べらんめいな歌いっぷりで
無頼なシャービ・ロックを演じる者もいて、鬼に金棒ですね。
Djmawi Africa "AMCHI" Sous Sol no number (2021)
Djmawi Africa "AVANCEZ L’ARRIERE" Padidou CD377 (2013)