ジャケ写をチラ見して、ダメだ、コレと無視して、
長年試聴すらせずにいたという原田さんの気持ち、よーーーっく、分かります。
「ずっと聴きもしないで、ほったらかしてたんですけど、スゴいんですよ、この人」
と勧められ、第一声でドギモを抜かれました。
強烈にドスの利いた声。
こんな童顔の兄ちゃんが、これ歌ってんのか! マジで? 別人なんじゃないの!?
信じらんない気持ちで、ジャケットをまじまじのぞきこんじゃましたよ。
ぼくも、エル・スールに新着のナイジェリア盤は、全部チェックしてきましたけれど、
この人をずっと気付かずにいたのは、原田さんとおんなじ理由だったと思いますよ。
ジャケットの顔を見て、こんなひょろっとした若造じゃあ、
まともなフジなんて歌えるわけないと決めつけ、試聴しなかったんでしょう。
あぁ、これまた、自分の内にあるルッキズムなのかあ。
フジのシンガーといったら、凶悪な面構えのゴツイ顔ほど、
「歌える人」という先入観があるもんなあ。反省しきりです。
で、ジャケ買いならぬジャケ無視してた在庫の3作を全部もらってきたんですが、
どれもスゴいんだわ。これぞホンマモンの純正フジ声。
もうこの声だけで、ご飯3杯いける的な。
いつ出たのか判然としない“MALABO LIKE EUROPE” のみ、
41分5秒の1曲のみの収録。終盤でキーボードがうっすらとコードを鳴らすほかは
旋律楽器はまったく登場しない、パーカッション・アンサンブルのみの純正フジです。
ティリ・レザーのバイオがよくわからないんですが、
イバダンを拠点に歌っている、イバダン出身のシンガーのようです。
ワシウ・アラビ・パスマがフックアップした人なのか、舎弟なのか、
パスマのライヴにフィーチャーされている映像がたくさん上がっていますね。
パスマのフォロワーであることは、その歌声からもよく伝わってきますよ。
パスマといえば、ヒップ・ホップと純正フジを同時発売したアルバム以来、
ずっとご無沙汰でしたが(リリース量が多すぎてフォローしきれません)、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2016-04-14
新作の“2020” でも、ガラガラ声のドスの利いたフジ声は健在でした。
そしてそのパスマとの連続聴きでも、ぜんぜん聴き劣りしないんだから、
ティリ・レザーがいかに大器か、わかろうというものでしょう。
Alh. Tiri Leather "WISE UP" Igi Nla Music no number (2020)
Alh. Tiri Leather "TASTY" Igi Nla Music no number (2020)
Alh. Tiri Leather "MALABO LIKE EUROPE" O.Y Music no number
Alh. Wasiu Alabi Pasuma "2020" Wasbar/Sarolaj Music & Films no number (2020)