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無謀な憧れ ジョー・パス

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Joe Pass  INTERCONTINENTAL.jpg

ジョー・パスの『インターコンチネンタル』がCD化!
うわー、めっちゃ懐かしい。ぼくがジャズ・ギターに憧れるきっかけになった、
青春の思い出のアルバムです。

日本盤ではとっくにCD化していたけれど、ドイツMPS盤のCDは、これが初。
いや、正確には、「初」じゃないんだけど、前にドイツで出た時は
ジャケットが差し替えられていたので、
オリジナル・ジャケットどおりのCD化はこれが初なのですよ。

個人的な思い出話になっちゃって恐縮なんですけど、
このアルバムに憧れて、高校3年の時に、ジャズ・ギターを習い始めたんでした。
こんなジャズ・ギターを弾いてみたい!ってね。無謀な憧れであることも気付かずに。
ジャズ教室の個人レッスンに半年間、週一で通ったんだけど、見事に挫折。
自分でも呆れるくらい、ヘタっぴでありました。いくら練習しても、上達しなくって。
まあ、ジャズの基礎理論を学べたのが、せめてもの救いだったんだけど。
それにしても、センス・ゼロだったなあ、じぶん。とほほ。

さて、ギター・トリオのお手本のようなこのアルバム、
1曲目の‘Chloe’ から、ジョー・パスのギター・プレイに悶絶します。
テーマのヴォイシングがスゴすぎる。それがわかるようになったのは、
ジャズ教室に通った成果ですかね。こんなん、弾けるわけないやん!

いやぁ、パット・マルティーノとかだったら、レコード聴いてるだけで、
こんなの無理とすぐにわかるけど、ジョー・パスのギターなら、
猛練習すれば弾けるんじゃないかと、思っちゃうんですよねえ。
なんにもわかってない高校生だったからねえ、甘かったですねえ。

ソロに移ると、温かなシングル・トーンで、なにげに16分音符の連続フレーズを弾き、
余裕シャクシャクでそんなピッキングを繰り出せるからこその、絶妙なスウィング感。
もう憎たらしいくらい、so cool! ‘I Cover The Waterfront’ のイントロなんて、もう!

ジョー・パスはのちに、パブロから『ヴァーチュオーゾ』シリーズを出して、
そちらもリアルタイムで聴いてましたけど、リヴァーブを深めにかけた、
このMPS盤のギター・トーンがすごく好きだったんです。
CDが出て、30年以上ぶりに邂逅したわけなんですが、
必死にギターを練習した日々を思い出して、胸の奥がモヤっちゃいましたよ。

Joe Pass "INTERCONTINENTAL" MPS 0215912MSW (1970)

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