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ネイト・ウッドが加わったニュー・トリオ ティム・ミラー

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Tim Miller  SYNERGY.jpg

ごひいきのギタリスト、ティム・ミラーの新作が出ました。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2015-05-06
前回の記事で書いた08年作“TRIO²” から、ずいぶん間が空いたなと思ったら、
5年前に“TRIO VOL.3” が出ていたんですね。気付きませんでした。

トリオ第1作・第2作からベースとドラムスが交替し、
ネイト・ウッドが新ドラマーとなっています。
前作のトリオ第3作でメンバーが替わったのは、
初代ドラマーの鳥山健明(TaKe Toriyama)が07年5月28日、
38歳の若さで急逝してしまったからだったんですね。
08年のトリオ第2作は、鳥山の死後にリリースされた作品で、
鳥山を追悼するメッセージが、ジャケット内に添えられていました。

ネイト・ウッドが加わって、このトリオのサウンドも変化をしましたよ。
ギターがより前面に押し出され、ドラムスはアンサンブル全体を引っ張り、
グルーヴを生み出す役割に徹するようになっています。
ネイトのふくよかなドラミングが、アンサンブルのダイナミクスを支配していて、
サウンドに浮遊感を与えているのが印象的。ギターのクリーンなトーンが、
天高く飛翔していくように響くのも、ネイトのドラミング効果ですね。

ネイトのドラミングは、めちゃくちゃ手数が多いのに、ぜんぜんうるさくならないのは、
ダイナミクスのコントロールが絶妙だからでしょう。ブラシとスティックを使い分けながら、
音量ばかりでなく、音圧もコントロールしてみせるネイトのドラムスは、
主役を引き立てながら、アンサンブルのリズムをデザインする能力にたけています。

う~ん、こういうドラミングを聴いていると、
ウェイン・クランツ、ティグラン・ハマシアン、ベン・ウェンデル、挾間美帆などなど、
各方面からネイトがひっぱりだこになるのも、よくわかるなあ。

独特のヴォイシングで豊かなハーモニーを彩る、ティナのギターも冴えまくり。
ピック弾きとフィンガー・ピッキングを合わせたハイブリッド・ピッキングも正確無比で、
ギターのサウンドも場面場面で使い分け、アグレッシヴに迫るプレイも楽します。
今回はアクースティックを弾かず、エレクトリックに徹しています。

ニュー・トリオでのティム・ミラーもスゴイ。
こりゃあ、17年の“TRIO VOL.3” も手に入れなきゃ。

Tim Miller "SYNERGY" no label no number (2022)

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