グランド・ピアノを弾く女性の横顔を照らすライティングが印象的なジャケット。
アンゴラのキゾンバらしからぬ、ムーディなジャケットが暗示するとおり、
ピアノのイントロに始まるバラードから、アルバムはスタートします。
美麗なストリングス・アンサンブルをフィーチャーした美メロ曲に、うっとり♡
うわぁ、すごくいいオープニングじゃないですか。
この1曲目で、はや傑作と決まったようなものですね。
続いて、ギターのイントロから滑るようなコンパのリズムで始まる2曲目は、
これまた泣かせるメロディで、こりゃ、たまら~ん。
全編メロウなナンバーが並んでいて、すっかりお気に入りになりました。
アンゴラ西部ベンゲラ州のロビトで78年に生まれたヨラ・セメードは、
わずか6歳でデビュー。ヨラの兄たち3人が結成したグループ、
インパクタス・クアトロのリード・シンガーを務め、
すでに25年以上のキャリアを持つというシンガーです。
今作で初めて聴いたんですけど、歌は上手いしクセがなくて、
ポップ・シンガーとして広くアピールできる人といえます。
誰かに似てるなあと思ったら、ミジコペイのライヴDVDで、
トニー・シャスールとデュエットしていた女性歌手と声も歌いぶりもそっくりですね。
コンパ、サルサ、ヒップホップR&Bを取り入れたポップな音楽性と、
ホーンやストリングスもふんだんに使ったそのプロダクションは、
グローバルな世界市場にそのまま持ち込める、クオリティの高さといえます。
エレガントな女性コーラスが耳残りする柔らかなサウンド・テクスチャーは、
今日びのズーク・ラヴでもなかなか味わえない、極上のもの。
ティワ・サヴェイジに加えて、ヘヴィ・ローテーション中であります。
Yola Semedo "FILHO MEU" Energia Positiva Produções 88875137432 (2015)