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ブラジルのアコーディオンとヴァイオリン メストリーニョ &ニコラス・クラシッキ

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Mestrinho & Nicolas Krassik.jpg

アコーディオンとヴァイオリンのデュオ。
といっても、おフランスのミュゼットじゃございませんよ。
そちらの方面では、ギュス・ヴィズールとトニー・ミュレナの名曲をカヴァーしたアルバムが
話題になってましたけど、こちらはブラジルの二人であります。

ニコラス・クラシッキは、ブラジル音楽ファンにはお馴染みの、
ブラジルに渡ったフランス人ヴァイオリニストですが、
メストリーニョというアコーディオン(サンフォーナ)奏者は初耳の人。
88年生まれという若手で、エルバ・ラマーリョ、ジルベルト・ジルのレコーディングに参加して
頭角を現してきた人とのこと。ジルベルト・ジルの海外ツアーに同行し、注目を集めたそうです。

そんな二人の共演作は、ドミンギーニョス、シヴーカといった先達アコーディオン奏者の曲、
ヴィラ=ロボス、ガロート、ジャコー・ド・バンドリンのショーロ曲、
バーデン・パウエルとヴィニシウス・ジ・モラエスの共作に、
二人の自作曲を交えて、演奏しています。

メストリーニョの書く曲がなかなかにロマンティックで、
2曲目の“Um Sorriso De Esperança” など、ヴァイオリンとのデュオに絶好のメロディですね。
7曲目の“Em Minha Alma” も古風な優雅さがあって、ちょっと感心してしまいました。
アコーディオンの演奏の方は、リズムの刻みが強力で、
ゆったりとしたワルツでも甘く流れないところがいいですね。
伴奏からソロに移る時、高音へ移動するのでなく、低音に移動して意表を突いたりと、
フレーズの組み立て方に才能を感じさせます。

ニコラス・クラシッキのヴァイオリンは、ヴェテランの域を感じさせる余裕ぶりで、
二人の良く絡み合う演奏は、まさに実力者同士の会話といえますね。
ぼくの大好きなガロートのショーロ“Desvairada” も、
アルバムのハイライトとなる快演に仕上がりました。

Mestrinho & Nicolas Krassik "MESTRINHO & NICOLAS KLASSIK" Biscoito Fino BF340-2 (2016)

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