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ボルガタンガのハウリン・ウルフ ボラ・ナフォ

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Bola Nafo  VOL.8  ZUO WAM TE YIRE ME.jpg

オウサム・テープス・フロム・アフリカがディスク化して世界に知られるようになった、
ガーナ北東部ボルガタンガのコロゴ弾き、ボラ。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2012-05-03
コロゴという音楽は、のちにキング・アイソバの登場によって、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12
大きな注目を浴びましたけれど、そのボラのガーナ盤新作を入手しました。

“VOL.8” と表紙にあるので、
オウサム・テープス・フロム・アフリカがディスク化したアルバムの次作にあたるようです。
“VOL.7” にはボラとしか書かれていませんでしたが、こちらではボラ・ナフォを名乗っています。
タンクトップにジーンズという普段着姿は、ガーナのそこいらにいるお兄ちゃんといった感じで、
山下清や石川浩司を思わせますね。

シンセ、ベース、ドラムマシンをバックに、コロゴを弾き語るスタイルに変化はありませんが、
新たな機材を買い替えたのか、レコーディング環境が良くなったのか、
チープさは一掃され、見違えるサウンド・クオリティとなりました。
前作は、チープなシンセ音が不協和音を奏でるという面白味もありましたけれど、
やはり本作ぐらいのクオリティがなければ、一部のマニアが喜ぶだけで終わっちゃうもんね。

ボラ・ナフォがキング・アイソバに触発されたことは、
オウサム・テープス・フロム・アフリカ盤の解説にも触れられていましたけれど
(二人はいとこ同士という不確かな情報もあり)、
ボラ・ナフォが師と仰いだのが、フラフラ人の伝統音楽コロゴをモダン化したガイ・ワンでした。
そのガイ・ワンことアバアネ・アカガーゴの名が本作の献辞に挙げられています。
ドイツのポエッツ・オヴ・リズム一派とコラボした7インチなどで、
一部に知られるだけのガイ・ワンですが、
そろそろ真打ち登場のソロ・アルバムを期待したいですね。

ところで、話は戻って、このボラ・ナフォの第8集、
どなるような奔放なヴォーカル・スタイルは、今回も圧巻です。
シンプルな反復を繰り返す曲を、濁りのある声を振り絞るように
パワフルに歌い切っていて、いや~、すんごい。圧倒されます。

粗っぽいようでいて、じっくり聴き込むと味わいのある節まわしをしていて、
聴けば聴くほどに、惹きつけられてしまいますね。
反復フレーズをひたすら繰り返す音楽は、
ミニマルなトランス・ミュージックといえるでしょうが、
そこに宗教的な呪術性は感じられず、むしろ人懐こいユーモアを感じさせるのがコロゴですね。
この音楽の出自は、ミンストレルにあるんじゃないのかなあ。

ミンストレルなら、単調な曲であることも、ヴォーカルの面白味もナットクできます。
キング・アイソバをリリースしたオランダのレーベルからリリースされた、
アイソバのフォロワー、プリンス・ブジュのデビュー作“WE ARE IN THE WAR” が
存外に退屈だったのも、ヴォーカルに面白味がなく、歌が平凡だったからですね。
コロゴという音楽じたいはシンプル極まりないものなので、
アイソバやボラのようなアクの強さが、歌に必要といえるのかもしれません。

Bola Nafo "VOL.8 : ZUO WAM TE YIRE ME" Africa Audiovisual no number

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