いやぁ、これはカンゲキ。アダモがCD化される日がやってこようとは。
日本全国のヨルバ・ミュージック・ファンの皆さま、お待たせしました。
アダモのアデダラ・アルンラがCD化されましたよ。
フツーのアフリカ音楽ファンにとっては、「誰だよ、それ」でしょうけど、
ディープなナイジェリア好きなら、アダモと聞いたら、ぴくんと反応するものがあるはず。
というのも、アダモのレコードはなかなか手に入りづらかったからで、
ぼくも90年にナイジェリア現地で入手した2枚しか持っていません。
アダモというのは、ヨルバ人のサブ・グループ、イジェサ人の伝統音楽です。
ヨルバランドの東端にあたるナイジェリア南西部オシュン州のイレシャには、
イジェサの王宮が置かれ、いまもオワ・オボクンと呼ばれる
最高指導者(俗に「王様」)による自治が行われています。
毎年オワ・オボクンの宮殿で行われるイウデ・イジェサのお祭りでは、
アダモが演奏されているそうです。
また、アダモは、数あるトーキング・ドラムの名前のひとつでもあることを、
以前ダダクアダについて書いた記事の中で触れました。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-05-17
トーキング・ドラムの名称が音楽の名前にもなっているように、
トーキング・ドラムはアダモの中心的役割を果たしています。
リズム・キープ役のトーキング・ドラムをバックに、
リード・トーキング・ドラムが自在に打ち込んでくる雄弁なプレイは、
アパラと同じスリルを感じさせるもので、
アダモもドゥンドゥン・ミュージックを出自としているのでしょう。
バウンスするトーキング・ドラムに、金属製の小物打楽器やシェケレなどの
各種打楽器が絡むアンサンブルは、ヨルバ・ミュージックの真骨頂ですね。
さらに、アデダラの枯れた節回しの味わい深さといったら、もうたまりません。
中盤からじわじわと熱気を増していくところは、ぼくが持っているLPと同内容。
70年代末か80年代初めの録音と思われます。
ちなみにこのCD、なぜかアルンラでなくアリフンラと書かれているのですが、
おそらくこれは誤記と思われますので、念のため。
High Chief Adedara Arihunra Loja Oba "MILIKI DANFO" Oluwatobi no number