マダガスカル南西部トゥリアーラ地方が生んだツァピキが、ついに日本初上陸。
ツァピキといえば、亀井岳監督の映画『ギターマダガスカル』に
超絶ギタリストのテタが登場したのが記憶に新しいところですけど、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-11-21
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2014-10-22
今年のスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドにダミリが招かれて、
ついに生のツァピクを体験をすることができました。
いやあ、サイコーのダンス・ミュージックでしたねえ。
土埃舞うマダガスカルの風景をホーフツとさせる、田舎くささがタマりませんでした。
普段着姿のメンバーが、ばらばらとステージに現れると、
ヴォーカリストのおっさんがかけ声イッパツ、すごい声量でパワフルに歌い出して、
観客をリズムの渦に、いきなり巻き込んでいきます。
CDで聴いたとおりの、せわしないハチロクのビートが疾走して、
ノッケから客を煽ること煽ること。気持ちよく踊らせてくれましたよ。
現地のライヴでお約束の拡声器も、ちゃんとマダガスカルから運んできていて、
ダミリのギターを拡声器につないで、音を出していました。
拡声器がトレードマークになっていることは、
ダミリのデビュー作と2作目のCDジャケットでおなじみですね。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-06-28
さすがに日本ではPA装置がしっかりしているので、サウンドはクリーンでしたけど、
現地では音が割れたり歪んだりして、
それがかえって野性味たっぷりの、トランシーなサウンドになるんですよねえ。
外国人相手にステージを演出するようなところもまったくなく、
現地で演奏するのとなんら変わらないパフォーマンスをしてくれたところが良かったですね。
男女のメンバーがア・カペラで歌っている脇で、
ダミリがお構いなしにギターのチューニングをやったりして、
うわはははは、自由だなー。
写真の風貌から、ダミリは野人ぽい人なのかと思えば、
ステージ終了後に会ったら、とても控えめで物静かな人だったのは意外でした。
ジャケットにサインをしてもらうと、「ツァピキ」「トゥリアーラ」と書き添えるので、
「ツァピカ? ツァピキ? ツァピク?」と念のため確かめてみると、
やはり「ツァピキ」と発音していました。
ドラムスとベースのコンビネーションにも、目を見張りましたね。
片一方がステデイにリズムをキープして、もう一方が自由奔放に演奏するんですけれど、
曲中でその役割を何度も交替しながら演奏するところが、超絶面白かった。
すごくフレキシブルなんですよね、リズム処理が。
ンバクァンガに代表される、南ア音楽の影響を色濃く感じさせるリズム隊でありました。
あっという間の45分。
さっと登場して演奏し始めたかと思えば、ステージを去る時もあっという間で、
え? もう終わりなの? と腰が砕けちゃいました。もっともっと聴きたかったなあ。
Damily "VERY AOMBY" Hélico HWB64126 (2015)