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歌謡カリンボーのむせかえる大衆味 ドナ・オネッチ

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Dona Onete  Banzeiro.jpg

カリンボー婆ちゃん、ドナ・オネッチの新作が届きました。
12年のデビュー作から、4年ぶりとなる2作目。
アマゾン川に浮かぶ船の上でポーズをきめたジャケットからは、
マングローブの匂いが伝わってくるようですね。

前作は、カリンボーの味わいをきちんとキープしつつ、
トリップ・ホップやヒップホップまで取り入れたマルコ・アンドレのプロデュースが鮮やかでしたが、
今作は制作陣を一変、ギターとバンジョーを担当するピオ・ロバートが音楽監督を務めています。

ピオのギターとバンジョーに、ベース、ドラムス、パーカッションのバンドを中心として、
曲によりサックス、フルート、キーボード(オルガン)が加わるという趣向。
よくハネるツー・ビートが痛快なカリンボー・シャメガードをたっぷりと楽しめるところは、
前作と変わりませんが、オルガンをフィーチャーした田舎風のボレーロや、
むせび泣くサックスが場末感を漂わせる歌謡調の曲が、
下世話な大衆味を醸し出していて、今作の聴きものとなっています。

今回も、全曲ドナ・オネッチの自作。
なんせ400曲以上も曲を書きためていると豪語するだけあって、
ダンサブルなカリンボーから歌謡調ボレーロまで、レパートリーは多彩。
ざっくばらんとした歌いっぷりは、いかにも田舎の老婆然としてますけど、
歌い口にはユーモアが溢れ、シャウトもしたりして、元気いっぱいで愉快至極。
曲もポップで親しみやすく、う~ん、才人ですねえ。

前作はイギリスからもリリースされ、評判を呼んだようですけど、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-01-14
今作は前作をも上回る痛快さ。ブラジルのローカル・ポップ、侮れません。

Dona Onete "BANZEIRO" Na Music NAFG0111 (2016)

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